やり抜く力(グリット/GRIT)」の鍛え方完全ガイド|継続できる人の思考法とは
「成功する人には共通点がある」と言われることが多いものです。その共通点として、「才能」や「環境」が挙げられることもありますが、じつは「やり抜く力(グリット)」が鍵を握っていることが、心理学的な研究によって明らかになっています。
スポーツ界やビジネスの世界を見渡しても、大きな成功を収めた人々は皆、強い情熱と粘り強さを持ち続けている。北海道日本ハムファイターズのCBOを務める栗山英樹氏も、「人が何かを得て、大きく成長する瞬間には、必ず壁があり、その艱難辛苦を越えた者だけが驚くような進化を見せる」と語るように、やり抜く力は成長の鍵となるものです。
「やり抜く力」とは一体何なのか? どうすればこの力を鍛えることができるのか? 本記事では、心理学的な視点と実践的なアプローチを交えながら「やり抜く力(グリット)」の本質と鍛え方を徹底的に解説します。
やり抜く力(グリット)とは?
「やり抜く力(グリット)」という言葉を広めたのは、心理学者アンジェラ・ダックワース博士です。彼女は「成功する人は才能だけでなく、長期間にわたって努力し続ける力を持っている」とし、その力を「グリット(Grit)」と名付けました。
成功者に共通する「情熱」と「粘り強さ」
ダックワース博士の研究によれば、やり抜く力は「情熱(Passion)」と「粘り強さ(Perseverance)」という2つの要素から成り立っています。単に努力を重ねるだけではなく、長期間にわたってブレずに目標を追い続けることが、成功を生み出す大きな要因となるのです。
たとえば、スポーツの世界で頂点を極めた選手たちは、困難な状況に直面しても決して諦めることなく、日々の練習を積み重ねています。また、偉大な経営者や起業家も、目標達成のために試行錯誤を繰り返しながら、長年にわたって努力を続けてきたのです。
「才能」と「努力」、本当に大事なのはどちらか?
多くの人は「成功には才能が必要だ」と考えがちです。しかし、ダックワース博士の研究では、才能よりも努力のほうが成功に直結することが明らかになっています。
彼女は、次のような公式を提唱している。
才能 × 努力 = スキル
スキル × 努力 = 達成
つまり、才能があっても努力しなければスキルにはならず、スキルがあっても継続的な努力をしなければ大きな成果にはつながらないのだ。成功には「才能 × 努力 × 努力」というプロセスが不可欠なのです。
この考え方を理解すると、「自分には才能がないから…」と諦める理由はなくなるハズです。どんな分野でも、やり抜く力を鍛え続ければ、確実に成長し、大きな成果を得ることができるのだ
です。
やり抜く力が強い人の特徴
やり抜く力(グリット)が強い人には、いくつかの共通した特徴があります。彼らは単なる努力家ではなく、長期的な視点を持ち、逆境を乗り越える強い精神力を備えています。ここでは、やり抜く力が強い人に見られる代表的な特徴を紹介します。
1. 長期的な目標にコミットする力
やり抜く力が強い人は、目先の成果に一喜一憂せず、長期的な目標に向かって努力し続けている。たとえば、プロのアスリートや一流の経営者は、成功するまでに何年、場合によっては何十年もの時間を費やしているのです。
彼らは、「すぐに結果が出なくても、続けることが重要だ」と理解しています。そのため、一時的な失敗や挫折を経験しても、簡単に諦めることはないのです。
2. 困難に直面しても諦めない精神力
やり抜く力を持つ人は、困難や障害を「成長の機会」と捉えている。一時的な失敗を「自分には向いていない」と解釈するのではなく、「どうすれば乗り越えられるか?」を考えるのです。
心理学では、このような考え方を「成長マインドセット(Growth Mindset)」と呼びます。成長マインドセットを持つ人は、「能力は努力次第で伸ばせる」と信じており、失敗をポジティブに受け止めることができるのです。
たとえば、起業家の中には、過去に複数回の失敗を経験しながらも、それを糧にして最終的に成功を収めた人が多いのも頷けます。彼らに共通しているのは、「失敗を怖れず、挑戦し続ける姿勢」です。
3. 失敗を学びに変え、成長し続ける姿勢
やり抜く力を持つ人は、失敗を単なる「終わり」ではなく、「学びの機会」として活用している。彼らは、失敗をしたときに「自分には才能がない」と考えるのではなく、「この経験から何を学べるか?」と問いかけているのです。
たとえば、有名な発明家であるトーマス・エジソンは、電球を発明するまでに1,000回以上の試行錯誤を繰り返しました。彼は「私は1,000回失敗したのではない。うまくいかない方法を1,000通り発見したのだ」と語っているのは有名な話です。
このように、失敗を次の成功につなげる思考法を身につけることで、やり抜く力はより強固なものとなります。
やり抜く力を鍛えるための具体的なステップ
やり抜く力(グリット)は、生まれつき備わった才能ではなく、意識的に鍛えることができる能力です。心理学者アンジェラ・ダックワース博士の研究によると、適切な方法を実践することで、誰でもこの力を強化できるという。ここでは、やり抜く力を鍛えるための具体的なステップを紹介します。
1. 目標設定の方法を見直す
やり抜く力を強化するためには、まず「正しい目標設定」が不可欠です。多くの人が「大きな夢」や「理想のゴール」を掲げるますが、それだけでは不十分です。重要なのは、短期・中期・長期の目標をバランスよく設定することなのです。
ここで活用したいのが、「SMARTゴール」と呼ばれる目標設定のフレームワークです。SMARTゴールとは、以下の5つの要素を満たす目標のことを指します。
• S(Specific):具体的である
• M(Measurable):測定可能である
• A(Achievable):達成可能である
• R(Relevant):自分にとって重要である
• T(Time-bound):期限が決まっている
たとえば、「英語を話せるようになりたい」という目標を、「3ヶ月以内にTOEICのスコアを100点上げる」といった具体的な形にすると、やり抜く力を発揮しやすくなるのです。
2. 挫折を乗り越えるメンタルの鍛え方
どんな目標でも、途中で困難に直面することは避けられないものです。ここで重要なのは、「失敗=終わり」ではなく、「失敗=学びの機会」と捉えることです。
心理学の研究では、失敗を前向きに受け止める「ポジティブ心理学」の手法が、やり抜く力を強化するのに有効であることが分かっています。特に、以下の考え方を身につけることが重要です。
• 「失敗は成長の一部」と理解する
• 「自分は変われる」と信じる(成長マインドセット)
• 「できること」に集中し、行動を継続する
また、過去の成功体験を振り返ることで、自信を高めることもできます。たとえば、「以前はできなかったが、努力して乗り越えた経験」を書き出すことで、「今回も乗り越えられるはずだ」と思えるようになるのです。
3. 習慣化の力を活用する
やり抜く力を鍛えるうえで最も効果的なのは、「努力を習慣化すること」です。成功者の多くは、「特別な才能を持っていたから成功した」のではなく、成功につながる行動を習慣化した結果、成果を出したにすぎないのです。
習慣化を成功させるためには、以下の方法を試してみるとよいでしょう。
• 「if-thenプランニング」を活用する
• 「もし〇〇したら、△△する」と決めておく(例:「朝7時に起きたら、5分間ストレッチをする」)
• 小さな成功を積み重ねる
• 最初は無理のない範囲で始め、徐々に負荷を増やす(例:1日1ページの読書からスタート)
• 記録をつける(習慣トラッキング)
• 進捗を可視化することで、モチベーションを維持しやすくなる
このように、「目標設定」「メンタル強化」「習慣化」の3つを組み合わせることで、やり抜く力は確実に鍛えられていきます。
やり抜く力を高めるための環境づくり
やり抜く力(グリット)は、個人の努力だけでなく、環境の影響も大きく受けます。自己管理が得意な人でも、環境が悪ければ継続が難しくなり、逆に、環境を整えれば、自然とやり抜く力が高まるものです。ここでは、やり抜く力を鍛えるための「環境づくり」のポイントを紹介します。
1. 周囲のサポートを活用する(メンター・仲間の存在)
やり抜く力を持つ人は、「一人で頑張る」ことに固執しません。彼らは、適切なメンターや仲間の力を借りることで、モチベーションを維持し、困難を乗り越えているのです。
たとえば、スポーツ選手には必ずコーチがいるし、ビジネスの世界でも成功者はメンターを持っていることが多いものです。メンターの役割は、正しい方向へ導いてくれることであり、「迷ったときに相談できる存在」がいるだけで、継続のしやすさが格段に上がるものです。
また、「仲間」の存在も重要です。目標に向かって努力する仲間がいると、お互いに刺激を受けながら成長できます。たとえば、英語学習でも、一人で勉強するよりも、同じ目標を持つ仲間と切磋琢磨したほうが、継続しやすいことは、多くの研究でも証明されています。
2. 自己効力感を高めるための工夫
「自己効力感」とは、「自分はやればできる」と信じる力のこと。この感覚が強い人ほど、やり抜く力が高く、継続しやすい。では、どうすれば自己効力感を高めることができるのか?
• 「小さな成功体験」を積み重ねる
• いきなり大きな目標を達成しようとせず、まずは簡単にクリアできる課題から始める
• 例:「毎日1ページの読書」「5分の運動」など、無理のない目標を設定する
• 成功体験を記録する(進捗を見える化)
• 「できたことリスト」を作ると、自分の成長を実感しやすくなる
• 他者の成功事例を参考にする
• 「この人も最初はできなかったが、努力して成功した」と知ることで、「自分もできるはずだ」と思える
3. 目標を達成しやすい環境を整える
環境が整っていないと、いくらやる気があっても続かないものです。たとえば、ダイエットをしようと思っても、冷蔵庫にお菓子がいっぱいある環境では継続が難しいでしょう。だからこそ、「目標を達成しやすい環境」を意識的に作ることが重要なのです。
• 誘惑を減らす
• スマホをいじる時間を減らしたいなら、通知をオフにする
• 読書を習慣化したいなら、いつも目に入る場所に本を置く
• 習慣化しやすいルールを決める
• 例:「朝起きたら、5分間ストレッチをする」「寝る前に1行日記を書く」
• 周囲に目標を公言する
• 他人に宣言すると、「途中で諦めるとかっこ悪い」という心理が働き、継続しやすくなる
このように、適切な人間関係を築き、自己効力感を高め、環境を整える ことで、やり抜く力を自然と発揮しやすくなるのです。
まとめ|「やり抜く力」は誰でも鍛えられる
やり抜く力(グリット)は、一部の才能ある人だけが持っているものではありません。むしろ、誰もが鍛えられるスキルであり、正しい方法を実践すれば、確実に強化できるものです。
成功者の多くは、最初からやり抜く力が強かったわけではありません。彼らも失敗を重ね、挫折を経験しながらも、それを乗り越えることで成長してきたんのです。スポーツ選手、経営者、研究者など、あらゆる分野の第一線で活躍する人々は、共通して「情熱」と「粘り強さ」を持ち続けているのです。
やり抜く力を鍛えるためには、まず「正しい目標設定」を行い、「失敗を学びに変える思考法」を身につけることが重要です。そして、習慣化の力を活用し、適切な環境を整えることで、継続しやすくなります。
最後に:あなたは変われる
もし今、「自分にはやり抜く力がない」と感じているなら、それは単に「鍛え方を知らないだけ」かもしれません。やり抜く力は、一朝一夕で身につくものではありませんが、少しずつ積み重ねていけば、必ず強くなるものです。
「継続できる人の思考法」を実践し、あなたの人生やキャリアに活かしてください。どんな壁にぶつかっても、それを乗り越える力は、あなたの中に必ずあるのです。そのことを信じてください。
小さな一歩を踏み出してみましょう。あなたの未来は、あなたの行動次第で大きくかえることができるのです。








