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「成果を上げているはずなのに、なぜかチームに閉塞感がある」

「人は揃っているのに、組織としての力がなかなか発揮されない」

そんな声を、リーダー層から耳にすることが増えてきました。変化が激しく、複雑性が増す今の時代、単に業績を追うだけでは組織は維持できません。チームの在り方そのものが、成果を左右する時代になったからこそ、「本質的な組織づくり」の視点が求められているのです。

そこで今、あらためて注目したいのがピーター・ドラッカーの言葉です。

マネジメントの父と称される彼は、「あらゆる組織は、3つの領域において成果を必要とする」と語りました。

1. 直接の成果(Direct Results)

2. 価値への取り組み(Building of Values)

3. 人材の育成(Development of People)

さらに彼は、これらすべてにおいて成果をあげなければ、「組織は腐り、やがて死ぬ」とまで警告しています。

本記事では、ドラッカーのこの言葉を軸にしながら、これからの時代に必要とされる“強いチーム”をつくるための5つの実践的なアプローチを、リーダーの皆さまに向けて解説します。

今、なぜ「3つの成果」がこれほど重要なのか?

組織が抱える課題の多くは、「売上」や「生産性」の数字では測れないものです。

「社員が疲弊している」「信頼関係が築けていない」「自律的に動ける人が育っていない」──

これらは、いずれもドラッカーが言う「成果が出ていない」状態であり、いくら一時的に数字を上げたとしても、組織の健全性を蝕む要因となり得ます。

以下の図は、3つの成果が相互に影響し合っている関係性を示したものです。

【図】組織成果の3要素と相互関係

組織のパフォーマンスは、この3つの要素がバランスよく機能してこそ最大化されます。

では、どうすればこの3つの成果を満たすチームをつくることができるのでしょうか?

以下、5つの具体的なチームづくりの視点をご紹介します。

1. 「成果」を定義し直す──何をもって成功とするのか?

チームづくりの第一歩は、「何を成果とするか」の再定義です。

「数字を上げる」ことも重要ですが、数字だけではチームの方向性は定まりません。

リーダーとして意識したいのは、“行動につながる成果の定義”です。

たとえば、「顧客満足度の向上」を成果とするなら、それを実現するための行動(傾聴、提案力、フォローアップ)が明確になります。チームメンバーが「このために、自分は何をすればいいか」が具体的にイメージできるようになるのです。

また、成果の定義は“チーム全員で共有すること”が重要です。「このチームは何を大事にしているのか」「なぜこの目標に向かっているのか」を語り合うことで、共通のビジョンが生まれます。

2. 「価値観を浸透させる」文化をつくる──日々の対話が価値をつくる

ドラッカーが語る「価値への取り組み」とは、単なる理念やスローガンではありません。

組織が何を大切にしているか、その価値観を行動レベルに落とし込むことが求められます。

たとえば、「信頼」や「挑戦」を掲げているなら、その価値がチームの会話や行動にどう表れているかを見つめ直す必要があります。

価値観を文化として根づかせるには、「日々の対話」が不可欠です。

リーダーが何気ない1on1やミーティングで、価値観に触れる問いかけをすることで、価値が行動に転換されていきます。

• 「今の行動は、私たちが大切にしている○○につながっていると思う?」

• 「今回の成功、どんな価値が支えていたと思う?」

こうした問いを通じて、チームの中に価値観が“生きたもの”として循環し始めます。

3. 「人を育てる」ことを仕組みにする──“個人任せ”にしない成長戦略

多くの現場では、人材育成が「経験に任せっきり」になっていることがあります。

しかし、ドラッカーは明確に語っています。「人材育成も、組織にとっての“成果”である」と。

そのためには、「育てることを仕組みにする」ことが不可欠です。

育成の仕組みとは、単に研修制度を整えるだけではありません。日々の業務の中に「挑戦の機会」「振り返りの時間」「フィードバックの文化」を組み込むことです。

たとえば、

• 若手に“安全な失敗の機会”を意識的に与える

• 振り返りのフレームワークをチームで共有する

• フィードバックを「評価」ではなく「成長支援」として捉える

こうした工夫が、人材の成長を“偶然”から“必然”へと変えていきます。

4. 「心理的安全性」をチームの土台にする──意見が言えるから成長が加速する

成果や成長がチームの中で継続的に生まれるためには、“安全な環境”が必要です。

「こんなこと言ったら怒られるかも」「失敗したら評価が下がるかも」といった不安があると、人は本来の力を発揮できません。

Googleの研究でも明らかになったように、チームのパフォーマンスを高める鍵は“心理的安全性”にあると言われています。

リーダーができることは、まず「否定しない」「意見を歓迎する」姿勢を示すこと。

メンバーの発言に対して、「そういう見方もあるね」と受け止めるだけでも、チームの空気は変わります。

安全な土壌があるからこそ、挑戦や学びが生まれ、結果として成果と育成が両立されるのです。

5. 「リーダー自身が、学び続ける存在であること」

最後に最も重要なことをお伝えします。

リーダー自身が、「学び、成長し続ける存在」であること。

これが、チームを進化させ続けるための最大のドライバーになります。

チームは、リーダーの姿勢をよく見ています。リーダーが変化に適応しようとしているか、他者の意見に耳を傾けているか、自分の限界を自覚し、新しい視点を取り入れているか──

リーダーが“完成された存在”ではなく、“進化し続ける存在”としてチームに立つことで、組織全体が学習する文化を持てるようになります。

「リーダーである前に、私も学ぶ一人である」という姿勢が、チームの可能性を大きく引き出してくれるのです。

まとめ:成果を出し続ける組織は、「人」に向き合うリーダーから生まれる

ドラッカーの語る「3つの成果」──直接の成果・価値への取り組み・人材の育成。

これらは、どれか一つが欠けても、組織の持続的な成果は生まれません。

現代のチームリーダーに求められているのは、短期的な数字の達成だけでなく、価値観を共有し、人を育て、組織の未来を支える視点です。

その実現のためには、日々のマネジメントの中で、小さな問いや対話を積み重ね、育成の仕組みを整え、自らも学び続ける姿勢を持つことが重要です。

成果とは、偶然ではなく、「選び取った行動の積み重ね」で形づくられます。

どうか、リーダーとしてのあなたの選択が、チームにとっての「未来をつくる力」となりますように。あなたのリーダーシップが、チームを強くし、組織を進化させていくと信じています。

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