夏までに築く「自分の軸」|ブレない働き方をつくる“自己基盤”の育て方
新入社員応援連載|第6回
はじめに|「軸がないまま働く」とどうなるのか?
社会人生活がスタートして2~3週間。
新しい環境、新しい人間関係、新しいルール…。
目まぐるしい日々の中で、「なんとなく」「言われた通り」に働いている自分に、ふと違和感を覚える瞬間が訪れることがあります。
• 「このままでいいのだろうか?」
• 「自分らしさって、どこにあるんだろう?」
• 「何を大事にして働きたいのか、わからなくなってきた」
そんな問いが心に浮かびはじめたら、それは「自分の軸」を築くタイミングです。
今回は、夏までに“自分の軸”を形にするためにできることを、心理学・キャリア理論の視点を交えてお届けします。
第1章|“自分の軸”とは何か? それは「働く価値観の座標軸」
「軸」という言葉は耳にするけれど、曖昧に使われていることも多いのが実情です。
ここで言う「自分の軸」とは、“自分は何を大切にしながら働きたいのか”という価値観の座標軸のことです。
それは、単なる目標や夢ではなく、日々の行動や判断のベースになるもの。
例えるなら、コンパスの“北”のような存在です。
たとえばこんな言葉たちが軸になります:
• 「信頼される人でありたい」
• 「成長し続けたい」
• 「仲間を大事にしたい」
• 「地域に貢献したい」
• 「仕事を通して誰かの喜びを生み出したい」
このように、“こうありたい自分”や“譲れない働き方の姿勢”が言語化されているかどうかで、仕事の中の迷い方や選び方が大きく変わってきます。
第2章|なぜ、今“軸”が必要なのか?(時代背景から考える)
終身雇用が当たり前ではなくなり、転職や副業も一般的になった今、働く環境は流動的で不確実性の高い時代に突入しています。
このような環境では、かつてのように「会社の方向性についていけば安心」という働き方は通用しません。
“自分なりの判断基準”を持っている人ほど、迷わず選び、行動できるのです。
加えて、新入社員のうちは特に、上司・先輩・同僚…とさまざまな価値観に触れます。
その中で他人軸に振り回されてしまうと、どこかでエネルギーを失ってしまうリスクがあります。
だからこそ、早いうちから“自分の軸”を育てることは、精神的な安定にも直結する大事なプロセスなのです。
第3章|軸をつくる3つのアプローチ
では、「軸をつくる」とはどういうことか?
自己理解・他者理解・経験の統合という3つのステップで整理してみましょう。
① 自己理解:自分の価値観・強み・感情を見つめる
まずは、「私は何を大切にしているか?」を棚卸しすることがスタート地点です。
• どんなときにやりがいを感じるか
• どんな言葉や行動に心が動くか
• どんな仕事に“やらされ感”を感じるか
このような問いを自分に投げかけるだけでも、感情の揺らぎにヒントが隠れていることに気づきます。
② 他者理解:職場や周囲の価値観に触れて比較する
自分だけで見つけようとすると、視野が狭くなってしまうこともあります。
そこで効果的なのが、「自分以外の軸を見て、照らし合わせてみる」こと。
例えば…
• 「この先輩はどんな姿勢で働いているんだろう?」
• 「このチームでは何が大事にされている?」
• 「自分の価値観とどう違う?」
こうした問いは、他人を通して自分を理解する大切なプロセスです。
③ 経験の統合:日々の仕事を“軸の視点”で振り返る
最後のステップは、日々の仕事の中で「これは自分の軸とどう関係するか?」という視点で振り返ることです。
たとえば、報告書を書いた、電話対応をした、上司とやり取りした──それらをただの“業務”として終えるのではなく、次のように考えてみてください。
• 「この対応は“丁寧さ”という自分の軸に合っていたか?」
• 「うまくいかなかったのは、どんな価値観のズレがあったからか?」
このように経験を“軸フィルター”で振り返る習慣が、軸を深め、ブレない土台につながります。

第4章|軸を“言葉にする”ことで、自信が生まれる
自分の軸がぼんやりしていても、他人に説明することを前提にして言葉にすると、驚くほど整理されていきます。
以下のフレーズ構成を参考にしてみてください。
「私は、〇〇という価値観を大切にして働きたいと思っています。
それは、△△という経験の中で感じた□□という思いからきています。」
このように言えるようになると、自己紹介や1on1、面談、キャリア面談などで「芯のある人だな」と信頼されるようになります。
また、他人の軸を尊重しつつ、自分の軸を主張できる人は、どんな職場でも“対等な関係”を築きやすくなるのです。
第5章|“軸”を持つと、決断と行動にブレがなくなる
最後に、軸を持つことの最大のメリットをお伝えします。
それは、迷ったときに「選べるようになる」こと。
そして、選んだことに「納得できるようになる」こと。
たとえば…
• 頼まれごとを断るかどうか迷ったとき
• 異動の打診があったとき
• 転職やチャレンジを考えるとき
そういった場面で、軸があれば「自分らしい選択」ができます。
自分らしい選択を積み重ねることが、“自分らしいキャリア”につながっていくのです。
まとめ|この春から夏が「自分の軸」を育てる一番いい季節
自分の軸は、最初から明確な人はいません。
でも、意識して振り返り、言語化し、他人と比べ、試してみることで、少しずつ形になっていきます。
この春、仕事の基本を覚えながら、
自分の中の“働く意味”や“ありたい姿”を見つめてみてください。
夏までの数ヶ月は、その土台を育てるのに最適な時期です。
軸が定まれば、あなたの行動はもっと力強くなり、信頼され、選ばれる存在になります。
その最初の一歩を、ぜひ今日から踏み出してみてください。








