善くはたらくための考察

単なるビジネススキルではなく、働くことの本質を深考することが、真の組織成長に繋がると考えます。
ここでは、長年の実務経験と、ドラッカー理論、心理学の知見を融合させた考察を定期的に発信しています。

この春から新たにマネジャーとなった皆さん、おめでとうございます。

期待と不安が入り混じるなかで、まずどこから手を付けたらいいのか、戸惑っている方も多いのではないでしょうか。

実は、新任マネジャーが最初に注力すべきものは、「チーム文化」です。

成果を生み出し続ける強い組織には、必ず健全な文化が根付いています。文化とは、日々のふるまいや空気感、暗黙のルール、価値観の総体を指します。

本記事では、国家資格キャリアコンサルタントとしての知見、そして組織開発コンサルタント・研修講師としての実践経験に基づき、

「なぜチーム文化が重要なのか」

「新任マネジャーが取るべき具体的行動」

について、ストーリーを交えながらわかりやすくお伝えします。

この記事を読み終わるころには、あなた自身が自信をもってチームの未来を描き、力強く一歩を踏み出せるようになるでしょう。

1章:「文化」がチームの未来を決める理由

ある企業の話です。Aさんは春に新しいチームのマネジャーになりました。

チームメンバーはスキルも高く、期待値も十分。しかしなぜか、目標達成に向けた動きが鈍く、コミュニケーションもぎこちない状況が続いていました。

Aさんは焦りを感じ、個別にタスク管理を強化し始めましたが、問題は解決しませんでした。

根本の原因は、「文化」が存在しなかったことにありました。

文化とは、見えないけれど確実に存在し、行動に影響を与える「チームの空気」です。

お互いに支え合うのが当たり前なのか、自己保身が優先されるのか。ミスを許容できるか、責任転嫁が起きるのか。

これらは、すべてチーム文化によって決まります。

どんなに優秀な人材が集まっていても、文化が整っていなければ、チームとして力を発揮することはできません。

逆に、文化が良ければ、困難を乗り越え、イノベーションを生み出し、個々の成長も加速します。

2章:新任マネジャーこそ文化づくりに取り組むべき理由

「文化づくりなんて、ベテランマネジャーがやるものでは?」と感じる方もいるかもしれません。

しかし、実は”新任”だからこそ、文化づくりの主役になれるのです。

なぜなら、新任マネジャーはチームに新しい風を吹き込む存在だからです。

既存のやり方に染まり切っていない今こそ、「理想のチーム像」を自ら描き、それをメンバーと共有しながら形作るチャンスがあります。

さらに、最初に「チームの土台」を築いておくことで、後々の業務推進、部下育成、イノベーション促進が格段にスムーズになります。

文化は、放置すれば「自然発生」しますが、自然発生した文化が健全とは限りません。

意図をもって、良い文化を育てる必要があるのです。

3章:文化づくりの第一歩「チームビジョン」を掲げる

文化づくりのスタート地点は、チームビジョンの設定と共有です。

チームビジョンとは、単なる目標設定ではありません。

「このチームは、何のために存在しているのか」 「どう在りたいのか」 を言語化したものです。

ここで重要なのは、ビジョンを押し付けるのではなく、メンバーと一緒に考えるプロセスを重視することです。

具体的には次のようなステップを踏みます。

1. マネジャー自身が「チームに期待する姿」を整理する

2. 1on1ミーティングや全体ミーティングで、チームの未来について語り合う

3. メンバーの意見を取り入れながら、共通ビジョンをまとめる

4. ビジョンをポスターやスライドにまとめ、常に見える形にする

このプロセスを経ることで、チームメンバーは「自分たちのビジョンだ」と感じることができ、自発的に行動を変えるようになります。

4章:「日々の行動」で文化を定着させる

ビジョンを掲げた後、すぐに文化が根付くわけではありません。

文化は、毎日の小さな行動の積み重ねによって育まれます。

たとえば、

• 小さな成功をすぐに称える

• 意見を言いやすい場をつくる

• ミスに対して責めるのではなく学びを促す

• 挨拶や感謝の言葉を欠かさない

こうした一つ一つの行動が、チームの空気を形作ります。

マネジャー自身が「文化のロールモデル」となり、

言葉と行動でビジョンを体現することが求められます。

それによってメンバーも自然と同じ行動をとるようになり、文化が定着していくのです。

5章:困難なときこそ文化を試される

文化づくりには根気が必要です。

特に、トラブルが起きたとき、結果が出ないときなど、厳しい状況では文化が崩れやすくなります。

しかし、本当に文化が強くなるのは、困難なときにこそです。

メンバーが互いを支え合い、前向きな姿勢を保てるかどうか。

それを左右するのは、マネジャーの態度と行動です。

もし問題が起きたら、すぐに「何が問題だったのか」「どうすればよかったか」を一緒に振り返りましょう。

責任追及ではなく、学びと成長のチャンスとして捉える姿勢が、チームの文化をより強くします。

まとめ:あなたが築く文化が、未来をつくる

新任マネジャーとして最初に築くべきものは、何よりも「文化」です。

チームビジョンを掲げ、日々の小さな行動を大切にし、困難なときにも支え合える文化を育むこと。

それが、善く働くチームへの道を開きます。

文化は一朝一夕にはできません。けれども、確実に積み重ねることができます。

そして、文化を育てる過程で、あなた自身もまた成長していくでしょう。

「文化はあなた自身」です。

あなたが信じ、行動し続けることで、きっと素晴らしいチームをつくることができます。

小さな一歩を、今日から踏み出していきましょう!

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