【部下指導②】成長を促すフィードバックと面談術
新任マネジャーにとって、部下の成長を支援することは非常に重要なミッションです。
しかし、「どんなフィードバックをすればいいのか」「どう面談を進めればいいのか」と迷う場面も多いのではないでしょうか。
部下を育て、チーム全体の力を底上げするためには、「フィードバック」と「面談」の質を高めることが不可欠です。
適切なフィードバックは、成長を促し、モチベーションを引き上げ、主体性を引き出します。
今回は、人材育成コンサルタント・国家資格キャリアコンサルタントの立場から、
「成長を促すフィードバックと面談術」をストーリーを交えながら具体的に解説します。
この記事を読むことで、部下と真に向き合い、チーム力を飛躍的に高めるための実践的なスキルが身につくでしょう。
1章:フィードバックが成長に与える影響
私が支援したある企業で、フィードバック文化を意図的に導入したところ、
半年後には社員の自己効力感(自分はやれるという感覚)が大きく向上しました。
なぜなら、フィードバックは単なる評価ではなく、「あなたを見ている」「あなたの成長を応援している」というメッセージだからです。
フィードバックには、
• ポジティブフィードバック(良い点を強化する)
• コンストラクティブフィードバック(改善点を建設的に伝える)
の2種類があり、どちらもバランスよく行うことが重要です。
上手なフィードバックは、部下の「成長意欲」に火をつけます。
2章:ポジティブフィードバックの極意
まずは、ポジティブフィードバックをしっかり活用しましょう。
「良い点を見つけて伝える」ことで、部下は自信を深め、さらに良い行動を強化しようとします。
【効果的なポジティブフィードバックのポイント】
① 具体的に伝える
→ 「先日のプレゼン、わかりやすかった!」ではなく、
「ポイントを三つに絞って説明したので、聞き手が理解しやすかった」というように、具体的な行動に言及します。
② できるだけ早く伝える
→ 行動とフィードバックの間に時間を空けないことで、行動と成果が結びつきやすくなります。
③ 感謝とセットで伝える
→ 「助かったよ」「ありがとう」と感謝を添えることで、さらに肯定感が高まります。
3章:コンストラクティブフィードバックの伝え方
次に、コンストラクティブフィードバック(建設的な改善アドバイス)をうまく行う方法です。
【コンストラクティブフィードバックの5ステップ】
① 事実に基づく
→ 感情的な印象ではなく、具体的な行動や結果をもとに伝えます。
② 本人の意図を尊重する
→ 「なぜそうしたのか?」と意図を聴き、責めるのではなく理解しようとする姿勢を持ちます。
③ 期待する未来を語る
→ 「次回はこうしてみよう」と、改善提案を未来志向で伝えます。
④ 一方通行にしない
→ 部下の意見や感じたことを引き出し、双方向の対話にします。
⑤ 人格否定を絶対にしない
→ 行動と結果に焦点を当て、個人の資質を批判しないことが大前提です。
「あなたはダメだ」ではなく、「やり方を少し工夫しよう」
このスタンスが部下を前向きにさせます。
4章:面談の質を高めるための3つの工夫
成長を促すには、フィードバックだけでなく、面談の質も高めることが重要です。
【面談を成功させるための3つの工夫】
① 目的を明確にする
面談を始める前に、「今日はどんなテーマで話すか」「何をゴールにするか」を共有します。
ゴールがあいまいな面談は、時間の浪費になってしまいます。
② 傾聴を徹底する
面談では、マネジャーが一方的に話すのではなく、部下の話をしっかり聴くことが大前提です。
途中で口を挟まず、相手の言葉を受け止める姿勢を大切にしましょう。
③ 問いかけを工夫する
「最近どう?」ではなく、
• 「最近、自分なりに成長したと感じることは?」
• 「次にチャレンジしたいことはある?」
といった具体的な問いを投げかけることで、部下自身の考えを引き出し、自己成長意欲を高めます。
5章:フィードバックと面談が文化を変える
日常的にフィードバックと面談を重ねることで、チームには「成長を応援し合う文化」が生まれます。
善く働くチームは、ミスや課題を責め合うのではなく、
「どうすればもっと良くなるか」
を自然に対話できる文化を持っています。
新任マネジャーであるあなた自身が、フィードバックと面談を通じてこの文化を育てる存在になりましょう。
フィードバックを恐れず、面談を楽しむ。
その姿勢が、部下たちの未来を大きく拓いていきます。
📚おすすめの一冊
『フィードバック入門 耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す技術』
(著:中原淳、PHPビジネス新書)
フィードバックの「難しさ」と「実践のポイント」を、日本の組織文化に即して丁寧に解説している一冊です。
中原淳先生は、組織開発・人材育成分野の第一人者であり、豊富な研究と現場経験に基づいた知見を提供しています。
本書では、
• なぜフィードバックがうまくいかないのか
• どうすれば「耳の痛いこと」を上手に伝えられるのか
• フィードバック文化をどう根づかせるか
といったテーマを、具体的な事例を交えながらわかりやすく説明しています。
新任マネジャーにとって、フィードバックに自信を持ち、成長支援型のリーダーになるための必携の書といえるでしょう。








