“メンタルの健やかさ”を育てる職場づくり──組織として続けたい5つの小さな習慣
五月は、新生活の緊張が一段落し、少しずつ疲れや不安が表れやすくなる時期です。
新入社員や若手社員が、「なんとなくやる気が出ない」「朝、会社に行くのが重たい」といった心の変化を抱え始めるのも、この頃です。
とはいえ、こうした不調のサインは目に見えにくく、本人ですら明確に言語化できないことが多いもの。
だからこそ、企業やチームが「心の健やかさ」を日常的に育てるための文化や習慣を意識的につくる必要があります。
この記事では、キャリア支援・組織開発の視点から、メンタルの健やかさを支える5つの小さな習慣と、それを組織に根づかせるための考え方を紹介します。
第1章:「健やかさ」は偶然に生まれない
メンタル不調は、ある日突然訪れるのではなく、2
日々の小さなストレスや承認不足、孤立感の蓄積によって静かに進行します。
たとえば、
• 誰にも声をかけられない日が続く
• 自分の仕事が評価されている実感が持てない
• チームの中に自分の居場所があるか分からない
こうした状態が何週間も続くと、人は「自分は必要とされていないのかもしれない」と感じ、
自己効力感や所属意識が大きく低下していきます。
この“じわじわと心をむしばむプロセス”にブレーキをかけるのが、
日常的な「気にかける」「つながる」習慣の力です。
第2章:健やかな職場に共通する「5つの小さな習慣」──ウェルビーイングの視点から
近年注目されている「ウェルビーイング」という言葉は、身体的・精神的・社会的に良好な状態を意味します。
WHO(世界保健機関)の定義にもあるように、「健康」とは単に病気でないことではなく、“包括的な満足感”のある状態を指します。
職場においてウェルビーイングを高めることは、
• メンタル不調の予防
• 離職の抑制
• エンゲージメントや生産性の向上
といった効果があると、多くの研究でも明らかにされています。
その基盤となるのが、日々のコミュニケーションやふるまいの中にある「心理的安全性」や「関係性の質」です。
以下に紹介する5つの習慣は、特別な制度がなくても、職場の空気と人の健やかさを整えるシンプルで効果的な実践です。
習慣① 「おはよう」「おつかれさま」を目を見て交わす
挨拶は、相手の存在を肯定する最も簡単な行為です。
名前を添えて声をかけることで、「ここにいていい」という心理的安全感を育てます。
習慣② 週に1回の「振り返りタイム」
小さな成功や努力に気づき、承認する時間を設けることで、自己効力感が高まります。
1on1やチームMTGで「今週一番嬉しかったことは?」と問いかけてみましょう。
習慣③ 「ありがとう」「助かった」の言葉を惜しまない
承認されることは、自分が役に立っているという感覚を呼び起こします。
ちょっとした言葉が、相手の心の回復につながるのです。
習慣④ 軽い雑談・ユーモアの場を意識的につくる
笑いと雑談は、ストレス軽減と信頼構築に不可欠です。
業務外の会話がある職場は、困ったときに助けを求めやすい雰囲気になります。
習慣⑤ 「困ったらすぐ相談できる」導線を明示する
相談のハードルを下げる仕掛けは、メンタル不調の予防に直結します。
「この人に話していい」と思える環境づくりが鍵です。
第3章:習慣を文化に変えるには──行動→仕組み→文化のステップと具体策
良い習慣は、意識的に育てなければ根づきません。
「行動 → 仕組み → 文化」のステップを意識することで、実践が定着しやすくなります。
● ステップ1:行動──まずは一人のふるまいから
明日からできる行動例:
• Slackで「ありがとう」を発信する
• 会議の冒頭で一言「気にかけている」ことを伝える
• 若手に「最近、少し疲れてない?」と声をかけてみる
● ステップ2:仕組み──継続できる場とルールをつくる
• 毎週の朝会で「感謝タイム」
• 定例MTGに「気づき共有」3分コーナー
• 相談マップや心理的サインポスターを掲示
制度ではなく、日常の中に組み込む仕掛けが大切です。
● ステップ3:文化──「支え合い」が当たり前になる
文化化した職場の例:
• 若手が自然に先輩に相談している
• ミスが共有され、「次に活かそう」と言える雰囲気がある
• 誰かが沈んでいると、声がけが自然に起こる
行動が繰り返され、仕組みに支えられることで、健やかさが文化として根づいていきます。
まとめ:健やかさは「ふつうの習慣」で育てる
メンタルヘルス対策は、特別な施策よりも日々の言葉とふるまいが支えになります。
「気にかける」「声をかける」「笑い合う」。
そんな何気ない時間が、誰かの不安を和らげ、誰かの離職を防ぎます。
“ふつうにやってる”ことが、最高の予防策になる。
その一歩を、まずはあなたの声がけから始めてみませんか?
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