善くはたらくための考察

単なるビジネススキルではなく、働くことの本質を深考することが、真の組織成長に繋がると考えます。
ここでは、長年の実務経験と、ドラッカー理論、心理学の知見を融合させた考察を定期的に発信しています。

6日間で養う「気づく力」~自分らしく善く働くための自己発見の旅~

第2回:自分の価値観・強みに気づく~人生の羅針盤を見つける~

皆さん、こんにちは。坂本です。

「気づく力」を養う旅、第2回となりました。昨日は、自分自身の感情や思考のパターンに意識的に気づくことの重要性をお伝えし、簡単なワークを通じて心の声に耳を傾ける練習をしました。感情と思考に気づくことは、自己理解の最も基本的なステップです。

今日のテーマは、さらに一歩踏み込んで、「自分の価値観・強みに気づく」ことです。

  • 「仕事で何にやりがいを感じるのか?」
  • 「どんな時に、自分は最高のパフォーマンスを発揮できるのか?」
  • 「何のために、自分は働いているのだろう?」

こうした問いに明確に答えられる人は、実はそう多くありません。しかし、これらの問いの答えこそが、皆さんの「人生の羅針盤」となり、キャリアの方向性を明確にし、困難な状況に直面した時の揺るがない軸となるのです。そして、自分自身の価値観や強みを深く理解することは、ピーター・ドラッカーが提唱する「自己管理」の核心であり、リーダーとして、また一人の職業人として「貢献」していく上で不可欠な要素だと私は考えています。

私自身、多くのビジネスパーソンのキャリア支援やリーダーシップ開発に携わる中で、自分の価値観や強みを認識している人が、どれほど主体的に、そして力強く自身のキャリアを切り拓いていくかを目の当たりにしてきました。今日の記事では、皆さんが自身の羅針盤を見つけ、自信を持って仕事に取り組むためのヒントとワークをお届けします。

1. あなたを突き動かす「価値観」とは?~働く意味の源泉~

皆さんは、仕事を選ぶ時、あるいは日々の業務に取り組む時、何を最も大切にしていますか?給与、安定、やりがい、成長、人間関係、社会貢献、自由な時間…人それぞれに、優先するものが異なるはずです。これこそが、皆さんの「価値観」です。

価値観とは、「人生や仕事において、何が重要で、何を大切にするか」という、私たちを突き動かす内面的な基準のことです。この価値観は、私たちのモチベーションの源泉となり、意思決定に大きな影響を与えます。

例えば、

  • 「成長」を重視する人は、新しい挑戦やスキルアップの機会がある仕事にやりがいを感じやすいでしょう。
  • 「社会貢献」を重視する人は、自身の仕事が誰かの役に立っていることを実感できる環境で力を発揮しやすいでしょう。
  • 「安定」を重視する人は、リスクの少ない堅実な働き方を好むかもしれません。

自分の価値観に気づき、それが満たされていると、私たちは充実感や幸福感を感じやすくなります。反対に、価値観と実際の行動がズレていると、「なんとなく満たされない」「何かが違う」といったモヤモヤや不満が生じやすくなります。これが、燃え尽き症候群やキャリアの迷走に繋がることも少なくありません。

1.1. 価値観に気づくことのベネフィット

自分の価値観を明確にすることは、皆さんのキャリアと人生に以下のような大きなベネフィットをもたらします。

  • 意思決定の明確化: 転職、昇進、新しいプロジェクトへの参加など、重要なキャリアの岐路において、自分の価値観に照らし合わせて最適な選択ができるようになります。
  • モチベーションの向上: 自分の価値観に沿った仕事や活動に取り組むことで、内側から湧き出る意欲と情熱が持続します。
  • ストレスの軽減: 価値観と異なる状況に直面しても、その原因を理解し、割り切ることで、不必要なストレスを減らせます。
  • 自己肯定感の強化: 「自分は何を大切にしているのか」が明確になることで、自分らしい生き方への自信が深まります。

私がリーダーシップのコーチングを行う際も、リーダー自身の価値観を深く掘り下げることから始めます。なぜなら、真のリーダーシップは、自身の揺るぎない価値観に根差した行動から生まれると信じているからです。

2. あなたを輝かせる「強み」とは?~無意識の才能を発見する~

「あなたの強みは何ですか?」と聞かれて、すぐに答えられる人はどれくらいいるでしょうか?多くの場合、私たちは自分の弱みにばかり目が行きがちで、当たり前のように使っている「強み」にはなかなか気づかないものです。

強みとは、単なるスキルや知識だけを指すのではありません。それは、

  • 自然と得意なこと(努力なくしてできること)
  • やっていると楽しくて、時間を忘れてしまうこと
  • 人から褒められること(自分では意識していないけれど、他人から評価されること)
  • 苦もなく、高いパフォーマンスが出せること

こういった、皆さん自身が無意識に使っている才能こそが、本当の「強み」です。

例えば、「人から相談されやすい」「細かな作業に集中できる」「初対面の人ともすぐに打ち解けられる」「計画を立てるのが得意」なども立派な強みです。

ピーター・ドラッカーも、「いかなる組織も、人の強みを活かすために存在する」と述べており、自己の強みを認識し、それを最大限に活かすことが、個人にとっても組織にとっても不可欠だと強調しています。

2.1. 強みに気づくことのベネフィット

自分の強みに気づき、それを意識的に活用することで、以下のような効果が期待できます。

  • 仕事の効率・生産性向上: 得意なことに集中することで、少ない労力で高い成果を出せるようになります。
  • 仕事の満足度向上: 強みを発揮できる仕事は、達成感や充実感に繋がり、仕事が楽しくなります。
  • 自信の向上: 自分の得意分野を認識することで、自己肯定感が高まり、新しい挑戦にも前向きになれます。
  • キャリアの可能性拡大: 強みを組み合わせることで、独自の価値を生み出し、新しいキャリアパスを切り拓くヒントになります。
  • チームへの貢献: 自分の強みを明確に伝え、活かすことで、チーム全体のパフォーマンス向上に貢献できます。

3. 今日からできる!あなたの「価値観・強み」に気づくワーク

それでは、今日の学びを実践に移すための簡単なワークを試してみましょう。これは、皆さんが自身の価値観と強みに意識的に気づき、言語化するための具体的な訓練となります。

ワーク:あなたの「仕事の充実ポイント」と「輝きポイント」を見つける

このワークは、皆さんの過去の経験を振り返り、そこから価値観と強みを見つけ出す練習です。

  1. STEP 1】「仕事で充実感や達成感を感じた瞬間」を3つ書き出す。
    • どんなに小さなことでも構いません。具体的に、どんな状況で、何をしていた時、どんな結果になったか。
    • (例:
      • A: 困難なプロジェクトで、チームをまとめて期限内に完遂した時。
      • B: クライアントの抱える問題を、自分のアイデアで解決し、感謝された時。
      • C: 後輩の指導で、彼の成長を間近で見ることができた時。)
  2. STEP 2】それぞれの瞬間に、あなたが「何を大切にしていたか(価値観)」を考える。
    • 各事例において、あなたが最も重要だと感じたことや、その行動の背景にあった信念は何でしょうか?
    • (例:
      • A: 「チームワーク」「目標達成」「責任感」
      • B: 「課題解決」「貢献」「創造性」
      • C: 「他者の成長支援」「育成」「人との繋がり」)
    • 出てきた言葉が、あなたの主要な「価値観」である可能性が高いです。
  3. 【STEP 3】それぞれの瞬間に、あなたが「どんな能力や特性を発揮していたか(強み)」を考える。
    • その時、あなただからこそできたこと、自然と得意だったこと、苦にならなかったことは何でしょうか?
    • (例:
      • A: 「リーダーシップ」「調整力」「計画性」
      • B: 「分析力」「発想力」「提案力」
      • C: 「傾聴力」「共感力」「指導力」)
      • 出てきた言葉が、あなたの具体的な「強み」です。
  4. 【STEP 4】見つけた価値観と強みを「言語化」し、自分自身に宣言する。
    • 私の大切な価値観は〇〇と〇〇だ。」
    • 「私の強みは〇〇と〇〇だ。」
    • これらを声に出したり、ノートに書き出したりすることで、より意識に定着させましょう。

おわりに:羅針盤を手に、あなたらしいキャリアを航海しよう

今日の記事では、自分自身の「価値観」と「強み」に気づくことの重要性とその実践方法についてお伝えしました。この2つの要素を明確にすることは、私がお伝えしているセルフマネジメントの核であり、自分らしいキャリアを築き、持続的に貢献していく上で不可欠な羅針盤となります。

ピーター・ドラッカーが「自己を知り、自己をマネジメントする」ことの重要性を説いたように、自分の内なる声、つまり価値観と強みに気づくことが、皆さんが自分自身の人生の主導権を握り、未来を切り拓くための第一歩です。

さあ、今日見つけた羅針盤を手に、あなたらしいキャリアの航海に乗り出してみませんか?その旅路は、きっとあなたに、より深い充実感と、揺るぎない自信をもたらすでしょう。

明日は、「無意識のバイアスに気づく~思考の偏りから解放される~」と題して、私たちの思考に潜む「無意識の偏見」に焦点を当てます。ビジネスにおける客観的な判断力や、円滑な人間関係を築く上で不可欠な気づきです。どうぞお楽しみに!

私は、皆さんが自身の羅針盤を見つけ、最高の未来を航海できるよう、全力で応援いたします。

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