善くはたらくための考察

単なるビジネススキルではなく、働くことの本質を深考することが、真の組織成長に繋がると考えます。
ここでは、長年の実務経験と、ドラッカー理論、心理学の知見を融合させた考察を定期的に発信しています。

事実は一つ、捉え方は多様~思考と行動パターンをデザインする6日間

新しい「思考習慣」をデザインする~未来の自分を創る行動計画~

皆さん、こんにちは。坂本です。

いよいよこの連載も最終回を迎えました。6日間にわたり、私は皆さんと一緒に、「事実は一つ、解釈は無限」という普遍的な真理を入り口に、私たちの思考のフレーム、認知の歪み、行動のパターン、感情との向き合い方、そして他者との関係性における視点変容の重要性について深く探求してきました。

この一週間、皆さんの心には、新たな気づきや「もしかしたら、自分も変われるかもしれない」という希望の光が灯ったかもしれません。しかし、知識を得ただけでは、本当の意味での変容は起こりません。大切なのは、この連載で得た学びを、皆さんの「日常」にどう落とし込み、継続的な「新しい思考習慣」として定着させていくかです。

思考の習慣を変えることは、一朝一夕で成し遂げられる魔法ではありません。それは、日々の小さな実践の積み重ねによって、少しずつ、しかし確実に、皆さんの「心のOS」を書き換え、未来の皆さん自身を創っていくプロセスなのです。

最終回となる今日は、この6日間の学びを総括し、皆さんが今日から「最高の自分」を更新し続けるための「新しい思考習慣デザインロードマップ」として、具体的な行動計画と、私からの力強いメッセージをお届けします。どんな年齢やキャリアステージにいる方でも、今日から実践できるヒントがここにあります。

1. 6日間の学びを振り返る:あなたの「視点」と「行動」は変わったか?

この連載で、私たちは以下のテーマについて深掘りしてきました。

  • 1日目:「事実は一つ、解釈は無限」:私たちは皆、独自のフィルターを通して現実を解釈している。その解釈を選ぶ自由が、心の自由。
  • 2日目:「認知の歪み」:ネガティブな感情のループを生む思考の癖に気づき、それを客観的に見つめ直す。
  • 3日目:「行動のパターンと小さな一歩」:行動の大部分は習慣によって決まる。小さな一歩とif-thenプランニングで新しい習慣をデザインする。
  • 4日目:「セルフ・コンパッション」:感情の波に飲まれず、自分に優しさと思いやりを向けることで心の余裕を生み出す。
  • 5日目:「視点変容と対人関係」:自分のフィルターだけでなく、相手のフィルターを想像し、対話を通じて共通の捉え方を築くことで、人間関係とチームの成果を高める。

これらの学びを通じて、皆さんは自分自身の内面にどんな変化を感じましたか?

  • 「あの時、ついネガティブに考えてしまったけれど、あれは認知の歪みだったな」
  • 「この感情は、セルフ・コンパッションで受け止めてみよう」
  • 「相手は違う見方をしているかもしれないな」 このような「気づき」こそが、皆さんの「心のOS」がアップデートされ始めた証拠です。この気づきを、一時的なものにせず、日々の生活に定着させていくことが、これからの鍵となります。

2. 新しい「思考習慣」をデザインするロードマップ:継続のための4つのステップ

この6日間の学びを、皆さんの「新しい思考習慣」として定着させ、未来の皆さんを創っていくための具体的なロードマップを提案します。

2.1. STEP 1:学びを「言語化」し、意識的に「宣言」する

せっかく得た気づきも、意識しなければすぐに忘れてしまいます。学びを確かなものにするためには、それを言語化し、自分自身に宣言することが重要です。

  • 実践例:
    • 「私の『新しい思考習慣』宣言」を作成する。
      • 例:「私は、困難な状況に直面した時、『これは成長の機会である』と解釈し、そのための『小さな一歩』を計画します。」
      • 例:「私は、他者の意見に耳を傾け、相手の『フィルター』を通して物事を理解しようと努めます。」
    • この宣言を、手帳の最初のページやデスクの目につく場所に書き、毎日目にするようにしましょう。

2.2. STEP 2:日常の「トリガー」と「新しい行動」を紐づける(if-thenプランニングの強化)

思考の変容を行動に繋げるには、3日目の記事で紹介した「if-thenプランニング」をさらに活用し、意識的に新しい習慣を脳に「インストール」していくことが効果的です。

  • 実践例:
    • ネガティブな感情が湧いた時:
      • もしイライラを感じたら、その時30秒だけ深呼吸し、『今、自分はイライラしているな』と心の中でつぶやく。」(セルフ・コンパッション)
    • 困難なタスクに直面した時:
      • もし新しい、難しそうなタスクが割り当てられたら、その時まず5分だけ手をつけ、『最初の小さな一歩』を書き出す。」
    • 意見の対立があった時:
      • もし意見の相違が生じたら、その時『相手はなぜそう考えるのだろう?』と自問し、相手の立場を想像する。」(視点転換) これらの「自動応答」を増やしていくことで、意志の力に頼らず、無意識のうちに望ましい思考と行動ができるようになります。

2.3. STEP 3:定期的な「振り返り」と「調整」

思考習慣の変容は、一度達成したら終わりではありません。常に環境や状況は変化するため、定期的に自分の思考や行動パターンを振り返り、必要に応じて調整していくことが重要です。

  • 実践例:
    • 週に一度の「マインドセットチェック」:週末などに15分程度時間をとり、この1週間でどんな時に新しい思考や行動ができたか、どんな時に元のパターンに戻ってしまったかを振り返る。「なぜそうなったのか?」を深掘りし、次週の目標を立てる。
    • ジャーナリング(記録):自分の思考、感情、行動のパターンを日記やノートに書き出すことで、客観視しやすくなります。この記録が、皆さんの成長の軌跡となり、自信へと繋がるでしょう。

2.4. STEP 4:「成長共同体」との繋がりを持つ

人は一人ではなかなか変わり続けることは難しいものです。同じように成長を目指す仲間や、皆さんの成長を支援してくれる存在との繋がりを持つことは、継続のための大きな力となります。

  • 実践例:
    • 信頼できる同僚や友人との対話: 自分の思考や行動の変化について話してみる。彼らの意見や経験から新たな気づきを得ることもできます。
    • メンターやコーチを見つける: 私のようなキャリアコンサルタントや、目標とする先輩など、客観的な視点からアドバイスやフィードバックをくれる存在を持つことは、成長を加速させます。
    • 学びの場に参加する: 研修やセミナー、読書会など、継続的に新しい知識や視点に触れる機会を積極的に活用しましょう。

おわりに:未来のあなたは、今日のあなたが創る

全6回にわたる連載、最後までお付き合いいただき、心から感謝申し上げます。

この連載を通して、私は皆さんに「事実は一つ、解釈は無限」という視点から、いかに私たちが自らの「思考のフレーム」をデザインし直し、行動パターンを変え、感情と向き合い、他者との関係性を豊かにできるかをお伝えしてきました。

未来の皆さんは、過去の誰かによって作られるものではありません。

未来の皆さんは、今日、この瞬間の皆さんが、どんな「思考」を選び、どんな「行動」を起こすかによって、創られていくのです。

思考の習慣を変えることは、決して楽な道のりではないかもしれません。しかし、小さな一歩を積み重ね、諦めずに続けることで、皆さんの内面に確かな変化が生まれ、やがてそれは、皆さんのキャリアと人生全体に、計り知れない豊かさをもたらすでしょう。

私は、皆さんが自分自身の可能性を信じ、この連載で得たヒントを活かして、どんな変化の波にもしなやかに対応し、自分らしく輝き続ける「最高の自分」を更新し続けていけるよう、心から応援しています。皆さんの未来が、希望に満ちた素晴らしいものとなることを願っています。

坂本が提供する「じぶん力を育てるTA心理学講座」のご案内

私が提供している「じぶん力を育てるTA心理学講座」は、この連載で学んだ「思考と行動の変容」の土台となる「自己理解」と「他者理解」をさらに深めるための実践的なプログラムです。

交流分析(TA)という心理学の理論に基づき、自分の感情や反応の癖、そして他者との関係性を深く理解することで、「自分らしく行動を選ぶ力」を育みます。連載で得た気づきを、より体系的な学びと行動変容に繋げたい方にとって、この講座は大きな価値をもたらすはずです。

特に、若手社員の方々が、自分の「心の仕組み」を知り、感情や対人関係のパターンを整理すること、そして、管理職・リーダー層の方々が、部下の「心の状態」を理解し、信頼と自律を引き出す関わり方を学ぶことに焦点を当てています。これは、PDFでご紹介している「じぶん力を育てるTA心理学講座」のコンセプトと合致するものです。

今後の開催スケジュールや詳細はこちらの【あおもりHRラボ】ウェブサイトでご確認いただけます。

皆様のご参加を心よりお待ちしております。

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