善くはたらくための考察

単なるビジネススキルではなく、働くことの本質を深考することが、真の組織成長に繋がると考えます。
ここでは、長年の実務経験と、ドラッカー理論、心理学の知見を融合させた考察を定期的に発信しています。

価値観の「羅針盤」で迷子にならない!「幸せの基準」の再設定

こんにちは、坂本です。皆さんのキャリアと組織の成長を応援しています。

これまでの連載で、私たちは自分の「人生脚本」に気づき、過去の感情を癒し、強みと役割を見つけ、そして未来を力強く語る言葉を手に入れました。

しかし、人生という海を航海していると、ときどき「これで本当にいいのかな…?」と、自分の進むべき道に迷いが生じることがあります。

  • 「今の仕事は給料もいいけど、何か満たされない…」
  • 「周りは結婚しているのに、自分はこのままでいいのか…」
  • 「成功って、結局何なんだろう…?」

もし、あなたがそう感じているなら、それはあなたの「価値観」という羅針盤が、まだ定まっていないサインかもしれません。

今回は、アドラー心理学の知見を基に、物心両面の豊かさを実現するために不可欠な「価値観」の明確化についてお話しします。

1. あなたを迷子にさせる「他者の価値観」という罠

私たちは、幼い頃から無意識に周囲の価値観を刷り込まれて育ちます。親や先生、友人、そして社会が「正しい」と教える価値観が、いつの間にか私たちの「羅針盤」になってしまいます。この状態こそ、あなたの人生を「迷子」にさせてしまう最大の原因です。

幸せの基準は「外」ではなく「内」にある

アドラー心理学は、「真の幸せの基準は、他者ではなく、自分の中にある」と説きます。

多くの人が、社会的な成功や他者からの承認を求めて必死に生きています。しかし、それは「誰かの価値観」を生きているにすぎません。

あなたが本当に幸せを感じるのは、誰かの期待に応えたときではなく、あなたが心から「これが自分だ」と思える選択をしたときです。あなたの幸せは、誰かが与えてくれるものではなく、あなた自身が内側から見つけ出すものなのです。

人生脚本に隠された「誰かの価値観」

あなたの「人生脚本」は、多くの場合、親や権威者からの価値観が深く埋め込まれています。

  • 「良い大学に入ることが幸せだ」
  • 「安定した大企業に勤めることが成功だ」
  • 「人から嫌われないように生きなさい」

これらの価値観は、あなたの脚本の「ルール」となり、無意識のうちにあなたの選択を支配します。あなたは知らず知らずのうちに、他者の価値観という檻の中で、自分の「幸せの基準」を見失ってしまっているのかもしれません。

価値観のコンパスを曇らせる「承認欲求」

アドラー心理学のベストセラー『嫌われる勇気』では、私たちの悩みの根源は、対人関係と「承認欲求」にあると語っています。私たちは、誰かに認められたくて、自分の本当の気持ちや価値観を犠牲にしてしまいます。

しかし、承認欲求に縛られて生きる限り、あなたの価値観の羅針盤は常に他者の顔色をうかがうことで曇り、本当に進むべき方向を見失ってしまいます。

2. 価値観の「羅針盤」を再設定するワーク

自分の価値観を明確にするのは、簡単なことではありません。しかし、あなたが本当に大切にしたいことを見つけ出すための、シンプルなワークを3つご紹介します。これは、あなたの心の奥底に眠る「真の宝物」を見つけるための地図を作る作業です。

問い1:「人生で最も誇らしかった瞬間」を3つ挙げる

人生で「最高に自分を誇りに思えた瞬間」を3つ思い出してください。

  • 仕事で成し遂げたこと
  • 誰かを助けられたこと
  • 趣味で大きな成果を出したこと

そして、自問自答してください。「なぜ、その時自分を誇りに思えたのだろう?」

その答えの裏側に隠されているのが、あなたの根源的な価値観です。「誰かに喜んでもらえたこと」なら「貢献」が、「新しいことに挑戦できたこと」なら「挑戦」が、あなたの価値観かもしれません。

問い2:「人生で最も怒りを感じた瞬間」を掘り下げる

怒りという感情は、あなたの価値観が侵害されたときに生まれる強い「センサー」です。人生で「なぜ、あんなに腹が立ったんだろう?」と思う出来事を一つ思い出してください。

  • 誰かがルールを破ったとき
  • 誰かが不誠実な行動をとったとき
  • 自分の努力が認められなかったとき

その怒りの感情の裏側には、あなたの「公正さ」「誠実さ」「正当な評価」といった価値観が隠されています。

問い3:「お金や時間を気にしないとしたら、何をしたいか?」

もし、明日からお金や時間を一切気にしなくていいとしたら、あなたは何をしますか?

  • 世界中を旅する
  • 困っている人を助ける活動をする
  • ずっと読みたかった本を読み続ける
  • 新しいスキルを学ぶ

この問いの答えは、あなたの人生に本当に必要なものが何なのかを教えてくれます。

3. 価値観の羅針盤で「迷子」から抜け出す

自分の価値観が明確になったら、それを羅針盤として活用しましょう。あなたの人生の選択は、一気に迷いがなくなり、羅針盤が指し示す方向へと力強く進むことができます。

優先順位をつけ、選択の軸を確立する

先ほどのワークで見つけた価値観を、あなたの人生における優先順位として整理してみましょう。

  • 1位:成長
  • 2位:貢献
  • 3位:安定

もし、あなたが「給料は高いけれど成長できない仕事」と「給料は低いけれど成長できる仕事」の二択を迫られたら、迷いはなくなるはずです。価値観の優先順位が、あなたの「選択の軸」となり、迷いを消し去ってくれます。

【H3】「嫌われる勇気」を持つことの本当の意味

アドラーが説く「嫌われる勇気」とは、他人の顔色をうかがうのではなく、自分の人生を生きることを選択する勇気のことです。自分の価値観に従って生きれば、必ずあなたを批判したり、あなたの選択を理解してくれない人が現れます。しかし、その「嫌われる」という可能性を受け入れたときに、あなたは初めて本当に自由な人生を歩み始めることができます。

推薦図書:嫌われる勇気』(岸見一郎・古賀史健)

迷いのない「判断力」が人生の質を高める

価値観という羅針盤があれば、あなたはどんな困難な状況に直面しても、迷わず正しい判断を下すことができます。この迷いのない判断力が、あなたの「決断力」を鍛え、人生の質を飛躍的に高めてくれます。人生は、いかに迷わないで進めるかで、その密度が変わるのです。

4. 価値観は「成長」と共に変化する

価値観は一度決めたら終わりではありません。私たちは、新しい経験や出会いを通して、常に変化し、成長していきます。それに伴い、あなたの羅針盤も、より精巧なものにアップデートされていきます。

価値観は「宝の地図」を書き換える行為

価値観を明確にする作業は、まるで「宝の地図」を書き換える行為に似ています。あなたが人生の新しいステージに進むたびに、地図には新しい道が書き加えられ、新しい「宝」の場所が記されていきます。価値観を問い続けることは、あなたの人生の地図を常に最新の状態に保つために不可欠な作業です。

羅針盤を「自己対話」で磨き続ける

あなたの価値観という羅針盤を磨き続けるには、定期的な「自己対話」が欠かせません。

  • 「今の私は、本当に幸せなのだろうか?」
  • 「この選択は、自分の価値観に沿っているだろうか?」
  • 「この出来事から、自分は何を大切にしたいと気づいただろうか?」

これらの問いかけを習慣にすることで、あなたの羅針盤は、どんな嵐の海でも正確に「北」を指し示してくれるようになります。

まとめ:価値観が、あなたの「本当の人生」を拓く

いかがでしたでしょうか?

今回は、あなたの「幸せの基準」を再設定し、人生の羅針盤を明確にするための「価値観」についてお話ししました。

人生という航海で迷子にならないためには、他者の価値観に惑わされず、あなた自身が本当に大切にしたいものは何かを問い続ける勇気が必要です。

次回の最終回では、これまでの連載で得たすべての知見を統合し、人生の「勝ち筋」を歩み続けるための「北極星」の見つけ方についてお伝えします。

お読みいただきありがとうございました。皆さんのキャリアと組織の成長にお役に立てれば幸いです。

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