信頼は技術で築ける!フォロワーシップを育む3つの鉄則
信頼は技術で築ける!「フォロワーシップ」を育む3つの鉄則
こんにちは、坂本です。皆さんのキャリアと組織の成長を応援しています。
「リーダーシップ」と聞くと、多くの人が「チームを引っ張っていく力」をイメージしますよね。それはもちろん大切なことです。しかし、どんなに素晴らしいリーダーシップも、それを支える人がいなければ、ただの独りよがりなパフォーマンスになってしまいます。
そこで今日お話ししたいのが、「フォロワーシップ」という考え方です。これは、リーダーを支え、共に目標に向かっていく力のこと。つまり、リーダーシップとフォロワーシップは、自動車でいう「両輪」のような関係です。片方だけでは、前に進むことができません。
「でも、フォロワーシップって、ただリーダーに従うことじゃないの?」そう思われた方もいるかもしれませんね。それは大きな誤解です。優れたフォロワーシップとは、決して受動的なものではありません。むしろ、積極的にリーダーやチームに貢献し、自律的に考え、行動する力なのです。
今日は、そんな「フォロワーシップ」を育むための技術を、心理学的なエビデンスも交えながら、3つの鉄則としてご紹介します。誰でも今日から実践できる、とてもシンプルで効果的な方法ばかりですよ。
鉄則1:信頼は「自己開示」から生まれる
皆さんは、初対面の人とどうやって仲良くなりますか? きっと、趣味の話をしたり、仕事の失敗談を話したり、少しずつ自分のことを話していきますよね。心理学では、これを「自己開示」と呼びます。相手に自分のことを知ってもらうことで、心の距離が縮まり、お互いに「この人、なんだか話しやすいな」と感じるようになります。実は、この自己開示こそが、信頼関係を築くための最初の、そして最も重要なステップなのです。
小さな「自己開示」が心をひらく
「いやいや、いきなり自分の深い話なんて…」と思うかもしれませんね。大丈夫です。最初は、本当に小さなことからで構いません。例えば、
- 「実は、コーヒーが苦手なんです」
- 「休日は、近所の公園で本を読んで過ごすのが好きなんです」
- 「最近、朝活を始めようと思ってるんですけど、なかなか続かなくて…」
このような、ささいな情報でも、相手は「へぇ、そうなんだ」と興味を持ち、あなたに親近感を覚えます。また、少しだけ弱い部分を見せることで、相手は「この人には、自分も安心して話せるかもしれない」と感じ、 reciprocal disclosure(相互開示)を促すことが可能です。これはアメリカの心理学者であるシドニー・M・ジャーラードの研究でも示唆されています。つまり、あなたが少し心を開くことで、相手も心を開いてくれる可能性が高まるのです。
失敗談が「共感」を生み、信頼を築く
特に効果的なのが、「失敗談」の自己開示です。私たちは、「完璧な人」に対しては尊敬の念を抱きますが、心の底から共感し、親近感を覚えるのは、「少し失敗することもある、人間らしい人」ではないでしょうか。
以前、あるセミナーで、ある経営者の方が、若い頃に大きなプロジェクトで失敗した時の話を、ユーモアを交えて話してくれました。その話を聞いていた参加者の皆さんは、真剣な表情でうなずき、話が終わった後には拍手喝采でした。このエピソードは、参加者の心に深く響き、その経営者の方への信頼を大きく高めるきっかけとなりました。
フォロワーシップを築く上で、自分の弱さを見せることは、弱点ではなく、むしろ最強の武器になります。完璧な人になろうとするのではなく、人間らしさをさらけ出す勇気を持つことが、あなたの周りに「信頼」という磁石を生み出すのです。
鉄則2:信頼は「約束を守る」ことで積み重なる
信頼関係は、まるでレンガを積み上げるように、一つ一つの行動で築かれていきます。その中でも最も重要なレンガの一つが、「約束を守る」ことです。
「言行一致」が信頼の土台を作る
これは、ごく当たり前のことのように聞こえるかもしれません。しかし、意外とできていない人が多いのも事実です。心理学では、「言行一致」(言葉と行動が一致していること)が、その人の信頼性を判断する上で非常に重要な要素だと考えられています。
例えば、
- 「明日までに〇〇しておきますね」
- 「この件、私に任せてください」
- 「〇〇さんの意見、参考にします」
このような、一見ささいな約束でも、きちんと守る。この積み重ねが、「この人は、言ったことをちゃんとやってくれる人だ」という揺るぎない信頼を築いていきます。
逆に、一度でも約束を破ると、これまで積み上げてきた信頼は、もろくも崩れ去ってしまいます。それはまるで、レンガの壁から一つだけレンガを抜き取るようなものです。壁全体が不安定になり、やがて崩れてしまうリスクをはらんでいます。
ドラッカーに学ぶ「責任」と信頼
ドラッカーは、著書『プロフェッショナルの条件』の中で、「自らの仕事を、自らの責任においてマネジメントせよ」と説いています。これは、単に与えられた仕事をこなすだけでなく、その仕事に責任を持ち、最後までやり遂げることの重要性を意味しています。
フォロワーシップにおいても同様です。私たちは、リーダーの指示に従うだけでなく、自分の担当する仕事に責任を持ち、結果を出すことで、リーダーからの信頼を勝ち取ることができます。そして、その姿勢は周囲のチームメンバーにも良い影響を与え、チーム全体の信頼感を高めていきます。
「迷子の法則」と照らし合わせてみましょう。キャリアの迷子になる人は、往々にして「約束を守る」という自己管理の原則が揺らいでいることがあります。目的地(ビジョン)を定め、現在地(現状)を把握し、過去の経験から学んだ上で、日々の小さな約束を確実に守る。この地道な行動こそが、迷子にならずに未来へ進むための確かな道標となるのです。
鉄則3:信頼は「相手の価値観を尊重する」ことで深まる
最後の鉄則は、「相手の価値観を尊重する」ことです。私たちはつい、自分の考えや価値観を正しいものだと信じがちです。しかし、人にはそれぞれ、育ってきた環境や経験によって培われた独自の価値観があります。それを理解し、尊重することで、信頼関係はより深く、強固なものになります。
人は「承認欲求」を満たしたい生き物
心理学者のアルフレッド・アドラーは、「人間のあらゆる悩みは、対人関係の悩みである」と述べています。そして、対人関係を円滑にする上で欠かせないのが、「承認欲求」を満たすことです。誰もが「自分の存在を認めてほしい」「自分の意見を聞いてほしい」という欲求を持っています。
相手の話をじっくりと聴き、「なるほど、そういう考え方もあるんですね!」「〇〇さんのご意見、とても参考になります」と伝える。これは、単に話を聞くだけでなく、相手の存在や価値観を尊重していることを示す最高のメッセージです。
「傾聴」は最強のコミュニケーション技術
『人は話し方が9割』の著者である永松茂久氏も、聴くことの重要性を繰り返し説いています。話すことよりも、聴くことにこそ、相手の心を動かす力があります。
相手が何を伝えたいのか、その背景にはどんな思いがあるのか。言葉の裏にある「真意」をくみ取ろうと努力すること。これは、相手への深い敬意を示す行為であり、相手は「この人は、私のことを理解しようとしてくれている」と感じ、あなたに心を開いてくれるでしょう。
「違い」を力に変えるダイバーシティ
組織やチームには、様々な価値観を持った人が集まっています。この「違い」を「対立」と捉えるか、「力」と捉えるかで、チームの未来は大きく変わります。優れたリーダーシップとフォロワーシップを持つ組織は、この「違い」を尊重し、それを革新的なアイデアや解決策を生み出す源泉として活用しています。
相手の価値観を尊重し、多様な意見に耳を傾ける。これは、リーダーシップを発揮する上でも、フォロワーシップを育む上でも、非常に重要なスキルです。

まとめ:フォロワーシップは「信頼」という名の財産を築く力
いかがでしたでしょうか? フォロワーシップは、決して従順であることではありません。それは、自ら考え、行動し、リーダーやチームに貢献することで、「信頼」という名の見えない財産を築き上げていく力です。
自己開示、約束を守ること、そして相手の価値観を尊重すること。この3つの鉄則を日々の生活や仕事で実践することで、あなたは周囲からの信頼を勝ち取り、チームや組織に不可欠な存在となるでしょう。そして、それはやがて、あなた自身のキャリアを力強く前に進める原動力となるはずです。
「信頼」は、目には見えませんが、何よりも強力なものです。そして、それは誰でも、今日から意識して築き始めることができます。さあ、あなたも「フォロワーシップ」という名の魔法を使って、周りの人々と共に、最高の未来を創り上げていきましょう!








