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【Day 2】内なる強みを発掘!「動詞100個」で探る自己認識の土台

皆さん、こんにちは!坂本です。

昨日は、「頭角を表すとは、貢献の核を持つことである」という本質的な定義を確立しました。頭角を表すための挑戦を始めるにあたり、多くの人が直面するのが「貢献したいけれど、自分に何ができるかわからない」という悩みです。単なる「頑張ります」という精神論ではなく、具体的に何を貢献の武器とするかを明確にすることが、今日のテーマです。

この悩みを解消するのが、ドラッカーが提唱する「強みの上に築け」という原則です。ドラッカーは、成果は弱みからではなく、強みからしか生まれないと断言しました。しかし、「あなたの強みは何ですか?」と聞かれて、すぐに具体的に答えられる人は少ないものです。なぜなら、私たちは日々の仕事で「できて当たり前」と思っていることの中にこそ、真の強みが隠れているからです。

今日は、あなたの「貢献の方向性」を定めるための土台、つまり「無意識に得意な行動(コンピテンシー)」を明確にする、私たちが現場で指導しているTCLコンピテンシー分析のワークを具体的にご紹介します。これは、知識や技能以前の、あなたの人間力(人格)の核を探る、来年の飛躍に繋がる重要な自己認識の旅です。

成果を出すために自己認識が不可欠な理由とドラッカーの原則

自己認識というと、自分の性格や価値観を知ることだと捉えられがちですが、仕事における自己認識の目的はただ一つ、「自分の力を、組織の成果を最大化するためにどう使うか」を明確にすることです。自分の強みを曖昧にしたままでは、貢献の方向性は定まらず、結果として「頑張っているのに成果が出ない」という悪循環に陥ります。頭角を表す人は、自分の最も得意な行動パターン(コンピテンシー)を知り尽くし、それを武器として選び、自分のリソースを最もレバレッジが効く場所に集中させます。

ドラッカーの「強みの上に築け」はなぜ至高の原則か

ドラッカーが「強みの上に築け」という原則を徹底させた背景には、組織全体の生産性への深い洞察があります。私たちは、不得意なことを平均レベルに引き上げるために膨大な時間とエネルギーを費やしがちですが、その努力は平均にしかならない可能性が高い。

一方、強みに時間と資源を集中投下すれば、圧倒的な成果を生み出すことができます。頭角を表す人は、自分のエネルギーを最も成果に結びつく分野に集中させる術を知っています。

そして、自分の弱点は、「他者の強み」で補完できることを知っています。例えば、企画書を作るのが苦手(弱み)なら、企画書作成が得意な同僚(他者の強み)に頼み、その代わりに自分が最も得意なデータ分析(自分の強み)でサポートするのです。自己認識の目的は、弱点を知ることではなく、強みを明確にしてそれを活かす仕組みを作ることにあるのです。

この原則を実践するだけで、あなたの生産性は劇的に向上し、貢献の質も高まります。弱点の克服に費やす時間を、強みの強化に振り向けるというこの戦略的判断こそが、頭角を表す人になるための大きな分水嶺となります。

真の強みは「動詞100個」という具体的な行動で発見される

あなたの真の強みは、抽象的な名詞(例:責任感、協調性)ではなく、具体的な動詞(例:分析する、繋ぐ、整理する、促進する、構造化する、傾聴する)で発見されるべきです。抽象的な言葉は、状況によって解釈が変わり、行動に結びつきません。私たちが研修で実践している「動詞100個発掘ワーク」は、過去の成功体験、夢中になっていた瞬間、あるいは「人から感謝されたこと」を思い出し、そのとき「あなたが実際に行った行動」を、動詞としてポストイットに書き出す手法です。

このとき重要なのは、「努力なく自然にできてしまったこと」に焦点を当てることです。なぜなら、真の強みは、努力を努力と感じさせない、あなたの自然な行動の中にあるからです。多くの方が「こんな単純なことが強みだったのか」と驚かれますが、このワークを通じて、あなたの「貢献の種」が具体的に見えてきます。

これを100個書き出すプロセスを通じて、あなたは自己認識の解像度を飛躍的に高めることができます。

強みの方向性を定めるTCL(思考・コミュニケーション・リーダーシップ)分類

動詞を100個書き出した後、次にその強みの「方向性」を定めるために、TCL(Thinking, Communication, Leadership)という3つのコンピテンシー軸に分類します。この分類は、あなたの貢献フィールドを特定する羅針盤となります。

  • TThinking / 思考): 分析、計画、設計、構造化など、アイデアや情報を整理し、深く考えることに関する強み。得意な人は、問題の核心を突き止め、複雑なものをシンプルにする貢献ができます。
  • CCommunication / コミュニケーション): 傾聴、対話、促進、繋ぐ、共感など、人と人との関係を築き、情報や意図を共有することに関する強み。得意な人は、部署間の連携をスムーズにし、組織内の摩擦を解消する貢献ができます。
  • LLeadership / リーダーシップ): 決断、推進、目標設定、鼓舞、責任を持つなど、集団をまとめ、目標達成に向けて導くことに関する強み。得意な人は、困難な状況でもチームを動かし、結果を出す貢献ができます。

この分類によって、あなたが最もエネルギーを使わずに、自然体で貢献できる職能(領域)が明確になります。例えば、「分析する」「構造化する」が多い人は、戦略策定や業務改善の分野で頭角を表しやすい、といった具合です。この具体的な分類こそが、抽象的な強みを成果に繋げる羅針盤となり、あなたのキャリアの選択肢を明確にします。

心理学の視点:交流分析が強みの「背景」と「持続性」を担保する

私たちがTCL分析と同時に導入しているのが、交流分析(Transactional Analysis:TA)の視点です。これは、自分の行動パターン(自我状態:P・A・C)を知り、「なぜ自分はこの行動を心地よく感じるのか」「なぜ自分はこの分野に情熱を傾けるのか」という強みの「背景」を理解するのに役立ちます。

例えば、人のサポート(C軸)が得意なのは、あなたの自我状態のどの部分が強く影響しているのか?その強みがあなたの心と深く結びついていることを知ることで、強みの再現性を高め、ストレスなく貢献し続けることができるようになります。

また、強みを発揮する際に、あなたの「批判的な親(CP)」の自我状態が過度に出ていないか(例:厳しくなりすぎないか)を客観視することで、人間力(人格)としてのバランスも取れます。単に強みを知るだけでなく、その強みが持つ「人間的な背景」を理解することが、人間力(人格)の成長と持続的な貢献に不可欠なのです。

頭角を表す人は「強みのポートフォリオ」と「回避戦略」を持つ

頭角を表す人は、自身の強みを単なるリストではなく、「強みのポートフォリオ(組み合わせ)」として認識しています。それは、「この課題に対してはT(思考)の強みを活かし、あの状況ではC(コミュニケーション)の強みを出す」といった、状況に応じた使い分けのスキルです。

さらに重要なのは、彼らが「弱みの回避戦略」を持っていることです。Day 1で確認したように、弱点の克服に時間を使わず、自分の弱みが関わる状況では、意識的に他者の強みに頼るという戦略です。例えば、L軸(リーダーシップ)の強みでプロジェクトを推進する際、T軸(思考)が苦手な場合は、必ずチーム内のT軸が強いメンバーを「補完役」として指名します。

今日のワークを通じて、あなたの強みのポートフォリオを明確にし、弱みの回避戦略を意識することで、明日からの貢献行動の成功確率を高めましょう。

Day 2のワーク:得意な行動を「動詞」で100個書き出すワークシート

さあ、あなたの強みを発掘する実践ワークです。過去の仕事やプライベートで「夢中になったこと」「誰かに感謝されたこと」「自然とできてしまったこと」を思い出し、それらを動詞で書き出しましょう。このワークは、あなたの貢献の方向性を決定づけます。

ワークシート1:動詞の発掘と強みへの洞察

動詞の発掘は、自分自身の無意識の行動パターンに光を当てる作業です。以下のヒントを参考に、ポストイットやメモに、思いつく限り多くの動詞を書き出してください。最低50個、できれば100個を目指してください。

  1. 「過去の成功体験」: そのとき、あなたは具体的に「何をしたか?」(例:計画する交渉する仕組み化する
  2. 「人から感謝されたこと」: 「ありがとう」と言われたのは、あなたが具体的に「何をしたからか?」(例:傾聴するサポートする教える
  3. 「夢中になったこと」: 努力だと感じずに熱中できたとき、あなたは具体的に「何をしたか?」(例:探求する設計する改善する

このプロセスで、あなたが「当たり前」だと思っていたことが、実は価値ある強みであったという「気づき」が得られるはずです。この気づきこそが、行動変容の大きな動機となります。このワークを通じて、あなたの強みを具体的な行動として認識してください。

ワークシート2:TCL分類とコアコンピテンシーの特定

書き出した動詞を、以下の3つのコンピテンシー軸に分類してください。

  • TThinking / 思考): 知識や情報を扱う行動(例:分析する、構造化する、論理立てる)
  • CCommunication / コミュニケーション): 人と関わり、意図を伝える行動(例:傾聴する、共感する、促進する、繋ぐ)
  • LLeadership / リーダーシップ): 決断し、目標に向けて導く行動(例:推進する、決める、責任を持つ、鼓舞する)

分類が難しい場合は、「この行動は、頭を使っているか?(T)」「人と関わっているか?(C)」「人を動かしているか?(L)」という観点で判断してください。最も多くの動詞が集まった軸(T, C, L)が、あなたの「コアコンピテンシー」であり、あなたが最も自然体で貢献できる領域です。

コアコンピテンシーを貢献に繋げるための視点

コアコンピテンシーを特定したら、次に考えるべきは「この強みを活かして、Day 1で定めた貢献軸をどう実現するか」です。

  • T軸がコアの場合: 「分析する」という強みを活かして、「同僚が日々行うデータ集計作業を簡素化する」という貢献(傍楽)に繋げられる。
  • C軸がコアの場合: 「繋ぐ」という強みを活かして、「部署間の情報格差を解消するために共有の場を提供する」という貢献(傍楽)に繋げられる。
  • L軸がコアの場合: 「決断する」という強みを活かして、「上司が迷っている小さな決断を代行し、意思決定のスピードを上げる」という貢献(傍楽)に繋げられる。

強みを知ることはゴールではなく、貢献という成果を出すためのスタートラインです。

強みを知ることで得られる心理的安全性

自分の強みを客観的に知ることは、職場での心理的安全性を高めることにも繋がります。自分の「得意な役割」が明確になれば、不得意なことを完璧にこなそうとするストレスから解放されます。そして、「自分はこれが得意だから、これは〇〇さんに任せよう」と、臆することなく他者に頼ることができるようになります。

頭角を表す人は、すべてを一人でやろうとはしません。彼らは、チーム全体の強みの組み合わせで成果を出す術を知っています。この自己認識は、チームメンバーとの健全な相互依存関係を築くための信頼の土台ともなるのです。

「貢献の羅針盤」としてのTCL分類の活用

TCL分類で得られた結果は、あなたのキャリア形成における重要な羅針盤となります。

  • キャリアの選択: 今後、転職や異動を考える際、「T軸の強みを活かせる職務か?」「C軸の強みを活かせるチームか?」という観点で、自分らしく最も貢献できる場所を選ぶことができます。
  • 能力開発の選択: 外部研修や資格取得を検討する際、「この学びは、私のコアコンピテンシー(TCL)をさらに高めるものか?」という貢献への直結度で判断できます。

このTCL分析は、あなたの長期的かつ自律的な成長戦略の核となります。ぜひ今日のワークにじっくり時間をかけ、あなたの「貢献の羅針盤」を完成させてください。

まとめ:強みを知ることは、貢献の羅針盤を持つこと

今日のワークを通じて、あなたの内なる「貢献の種」が具体的に見え始めたかと思います。強みとは、あなたが持つべき羅針盤です。自分の得意な行動を知り、それを最大限に活かせる場所を見つけることが、「頭角を表す」ための最短距離であり、プロフェッショナルとしての自信に繋がります。

この連載を通じて、あなたの強みが組織の成果に貢献し、最高のCX(顧客体験価値)を生み出す起点となることを願っています。職業人として誇りを持って生きるための確かな一歩を、力強くサポートします。

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