中小企業で多様性を強みに!ダイバーシティ&インクルージョン
「違う」が「強み」になる!中小企業で活かす「ダイバーシティ&インクルージョン」の力
皆さん、おはようございます!坂本です。
この連載もいよいよ後半戦。チームを未来へと導くための様々な要素を探求してきました。さて、これからの時代、チームの「実践力」を最大限に引き出し、持続的な成長を実現するためには、「多様性」を組織の強みとして活かすことが不可欠です。
- 「うちは、男性ばかりの職場だから…」
- 「若い人たちと、どう接したらいいのか分からない」
- 「外国籍の社員を受け入れたいけど、何から始めたらいいの?」
- 「育児中の社員が働きやすいように、もっと何かできるはず…」
中小企業においては、人材採用の難しさや、既存メンバーの定着を優先するあまり、「多様性」への意識が希薄になりがちです。しかし、性別、年齢、国籍、経験、価値観、障がいの有無など、様々な「違い」を持つ人材がチームにいることは、決して弱みではありません。
むしろ、それらの「違い」を積極的に受け入れ、誰もがそれぞれの能力を最大限に発揮できる「インクルーシブな環境」を築くことこそ、イノベーションを生み出し、新しい顧客層を開拓し、組織全体を活性化させる強力な「強み」となるのです。
今回は、この「違う」を「強み」に変える「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)」について、中小企業が実践できる具体的なヒントを、私の経験と共にお伝えしていきますね。
なぜ今、「ダイバーシティ&インクルージョン」が中小企業に不可欠なのか?~未来を創る3つの視点~
「ダイバーシティ&インクルージョン」は、単なる社会貢献やコンプライアンスの問題ではありません。中小企業にとって、未来の成長を左右する経営戦略そのものです。
1.イノベーションと創造性の源泉
同じような考え方や経験を持つ人ばかりのチームでは、どうしても発想が画一的になりがちです。しかし、多様な視点を持つメンバーが集まることで、これまでになかったアイデアや解決策が生まれやすくなります。異なるバックグラウンドを持つメンバーが議論することで、多角的な視点から物事を捉え、より革新的な商品やサービス開発に繋がる可能性を秘めています。
2.優秀な人材の確保と定着
労働人口が減少する中で、企業は多様な人材に目を向ける必要があります。また、従業員側も「自分らしく働けるか」「個性を尊重してくれるか」を重視する傾向が強まっています。D&Iを推進する企業は、「多様な人材が活躍できる魅力的な職場」として認識され、採用競争力を高め、定着率向上にも繋がります。
3.市場の変化への適応力と顧客理解の深化
顧客層が多様化する現代において、企業が提供する製品やサービスも、より多様なニーズに対応する必要があります。チームに多様な視点を持つメンバーがいることは、市場の多様なニーズを敏感に察知し、的確に対応する能力を高めます。これにより、新しい顧客層の開拓や、既存顧客との関係性強化にも繋がります。
これらの理由から、D&Iは、中小企業にとって「あれば良いもの」ではなく、「持続的な成長と競争力強化のために不可欠な経営戦略」となっているのです。
中小企業が実践できる「ダイバーシティ&インクルージョン」の3つのヒント
それでは、中小企業だからこそできる、「違う」を「強み」に変えるための具体的なD&I推進のヒントをご紹介します。
ヒント1:「多様な人材」の扉を開く
まずは、採用や配置の段階から、「多様な人材」に意識的に目を向け、その可能性を広げることから始めましょう。
1.採用基準を「ポテンシャル」と「多様な視点」に広げる
- 経験だけでなく「ポテンシャル」を重視する: 特定の経験やスキルだけでなく、「学習意欲」「柔軟性」「成長可能性」を重視することで、未経験者や異業種からの転職者にもチャンスを与えられます。
- 多様な視点を持つ人材を意識的に採用する: これまでの採用で偏りがあった場合、あえて異なる性別、年齢層、経験を持つ人材の採用を検討しましょう。
- 採用プロセスを見直す: 無意識の偏見(アンコンシャスバイアス)がないか、採用基準や面接方法を見直しましょう。例えば、履歴書から性別や年齢が特定できる情報を一時的に伏せる「ブラインド採用」も有効です。
2.柔軟な働き方で「多様なライフスタイル」を受け入れる
前回のウェルビーイング経営の記事でも触れましたが、多様な人材が活躍するためには、柔軟な働き方が不可欠です。
- リモートワーク、フレックスタイム、時短勤務など、個々の事情に合わせた働き方を積極的に導入・拡大することで、育児や介護中の社員、遠隔地からの人材、障がいを持つ人材など、多様な人材が働きやすくなります。
- 「個別の事情への配慮」: 全員に一律の制度を適用するだけでなく、個別の事情(例:通院、家庭の事情)に柔軟に対応できる文化を育みましょう。
3.既存メンバーの「多様性」にも目を向ける
新しく採用する人材だけでなく、**既存の社員が持つ「隠れた多様性」**にも目を向けましょう。
- 「意外な趣味や特技」「ボランティア経験」「過去の挫折経験からの学び」など、業務では見えにくい個々のユニークな特性も、チームの強みになります。
- これらを共有できる場(例:社内レクリエーション、自己紹介タイム)を設けることで、互いの理解を深め、新たな側面を発見できます。



ヒント2:「インクルージョン(包容)」の文化を育む
多様な人材を受け入れるだけでは不十分です。誰もが「ここにいていいんだ」「自分らしくいられる」と感じ、能力を最大限に発揮できる「インクルーシブ(包容的)な環境」を築くことがD&Iの本質です。
1.「心理的安全性」をさらに高める
インクルージョンの土台は、やはり「心理的安全性」です。
- 「どんな意見も否定しない」文化: 異なる意見や疑問を安心して発言できる雰囲気を作り、少数意見も尊重し、真摯に耳を傾けましょう。
- 「弱さの開示」の奨励: 完璧でなくても良い、困った時は助けを求められる、といった安心感は、メンバーが自分らしくいられる環境を創ります。
- 無意識の偏見(アンコンシャスバイアス)への気づき: 研修などを通じて、私たち誰もが持つ無意識の偏見に気づき、それを意識的に是正しようとする姿勢を育むことが重要です。
2.「相互理解」を深めるコミュニケーションを促進する
- 「相手を知る」ための機会を創る:
- 1on1ミーティング: 上司がメンバー一人ひとりの背景、価値観、キャリアの希望などを深く理解する。
- ペアワークやシャッフルランチ: 普段関わらないメンバー同士が、業務外の話題を通じて互いを知る機会を設ける。
- 異文化理解研修: 外国籍の社員がいる場合、互いの文化や習慣を学び合う場を設ける。
- 「伝え方」「聞き方」の意識改革: 「言いたいこと」を一方的に伝えるのではなく、相手の背景や文化、性格を考慮した「伝え方」や、相手の真意を理解しようとする「聞き方」のスキルを磨きましょう。
3.「インクルーシブなリーダーシップ」を育む
リーダーは、多様なメンバーそれぞれの個性を理解し、彼らが最大限に力を発揮できるよう支援する役割を担います。
- 個別最適な関わり: メンバー一人ひとりの強みやニーズ、モチベーションの源泉を理解し、それぞれに合った目標設定や育成、フィードバックを行います。
- 公平な機会の提供: 昇進や新しいプロジェクトへのアサインなどにおいて、性別や年齢、経験にとらわれず、公平な機会を提供しましょう。
- ロールモデルの多様化: 特定の属性の社員だけでなく、様々な背景を持つ社員がリーダーシップを発揮し、ロールモデルとなれるよう支援します。
ヒント3:「多様性」を「成果」に繋げる仕組みを作る
多様性を単なる受け入れで終わらせず、それが具体的な成果に繋がるよう、仕組みとして落とし込みましょう。
1.多様な視点を取り入れた「意思決定プロセス」
- 重要な意思決定を行う際、特定の部署や役職者だけでなく、多様な立場や経験を持つメンバーからの意見を意識的に集める機会を設けます。
- 例えば、新商品開発や業務改善プロジェクトにおいて、年齢、性別、職種の異なるメンバーで構成されるクロスファンクショナルチームを結成することで、多角的な視点からのアイデアやリスク検討が可能になります。
2.「多様性」を活かした「ビジネス機会」の創出
- 社内の多様なメンバーの視点を活かし、これまで気づかなかった顧客ニーズや市場のギャップを発見しましょう。
- 例:外国籍の社員がいれば、その国の市場への進出や、在日外国人向けのサービス開発に繋がるヒントが得られるかもしれません。
- 例:子育て中の社員がいれば、子育て世帯向けの製品やサービス、あるいは働き方に関する新たなビジネスモデルが生まれるかもしれません。
3.「多様性への貢献」を評価項目に組み込む
評価制度の中に、「多様な人材との協働」「インクルーシブな環境づくりへの貢献」「多様な視点からの提案」といった項目を組み込むことで、メンバーはD&Iへの取り組みが自身の評価にも繋がると認識し、意識的に行動するようになります。
まとめ:「違い」を強みに変えるD&Iは、中小企業の「未来への羅針盤」
いかがでしたでしょうか?
今回は、「違う」を「強み」に変える「ダイバーシティ&インクルージョン」について、中小企業が実践できる3つのヒントをお伝えしました。
- 「多様な人材」の扉を開く
- 「インクルージョン(包容)」の文化を育む
- 「多様性」を「成果」に繋げる仕組みを作る
多様性を活かすことは、単なる「良いこと」ではありません。それは、変化の激しい現代において、**イノベーションを生み出し、人材を確保し、市場の変化に適応するための、中小企業にとっての「未来への羅針盤」**となります。
ぜひ今日から、あなたのチームで「違い」を「強み」に変えるD&I推進のための一歩を踏み出してみてください。それが、貴社のチームが持つ潜在能力を最大限に引き出し、持続的な成長を実現するための、確かな道となるでしょう。
次回の記事では、社員が会社を「推したくなる」ような「エンゲージメント」の継続的な向上について深掘りしていきます。どうぞお楽しみに!








