中小企業の社員エンゲージメント向上!「推したくなる」会社へ
「やらされ感」ゼロへ!社員が会社を「推したくなる」熱量の高め方
皆さん、おはようございます!坂本です。
この連載もいよいよ佳境です。これまで、いいチームの土台づくりから、実践力向上、そして多様性の活用まで、様々な角度から「いいチーム」を創るヒントをお伝えしてきました。
さて、これら全ての取り組みが機能し、チームが持続的に成長していくために、最も重要な「感情」の側面があります。それが、「エンゲージメント」です。
- 「うちの社員、言われたことはやるけど、それ以上がないな…」
- 「会社のビジョンは掲げているけど、どこまで浸透しているか不安」
- 「優秀な若手が、なぜか辞めていってしまう…」
- 「もっと主体的に動いてほしいけど、どうすればいいか分からない」
中小企業においては、日々の業務に追われる中で、社員一人ひとりの「会社への想い」や「仕事への熱量」にまで目が届かないことがあります。しかし、社員が会社や仕事に対してどれだけ心から貢献したいと思っているかを示す「エンゲージメント」は、企業の生産性、離職率、顧客満足度、さらには採用力にまで直結する、極めて重要な指標です。
今回は、社員が「やらされ感」から解放され、まるで自分の会社を「推したくなる」ような、高い「熱量」を持って仕事に取り組めるようになるための、具体的なエンゲージメント向上策について、私の経験と共にお伝えしていきますね。
なぜ「エンゲージメント」が低下するのか?~中小企業にありがちな背景~
社員のエンゲージメントが低下し、「やらされ感」が蔓延してしまう背景には、いくつかの共通するパターンがあります。
1.「貢献実感」の不足
社員が自分の仕事が会社全体や顧客にどう貢献しているのか、その「意味」や「目的」を実感できないと、モチベーションが低下します。特に、ルーティンワークが多い場合や、自分の業務が一部に限定されていると感じる場合に起こりやすい問題です。
2.「成長機会」と「キャリアパス」の不明瞭さ
「この会社にいても、自分は成長できない」「将来のキャリアが見えない」と感じると、社員のエンゲージメントは著しく低下します。特に、向上心の高い若手社員が離職する大きな原因の一つです。
3.「評価」と「フィードバック」の不透明さ・不足
「自分の頑張りが見てもらえていない」「どうすればもっと良くなるのか分からない」という状態では、社員は努力の方向性を見失い、熱意を失います。評価が給与決定の手段に留まり、成長のための対話が行われない場合に顕著です。
4.「心理的安全性」と「信頼」の欠如
前回の連載でも触れましたが、「本音を言えない」「失敗を恐れる」「助けを求められない」といった環境では、社員は安心して仕事に取り組めず、会社への信頼感も育ちません。結果として、会社との間に心の距離が生まれてしまいます。
これらの背景が複雑に絡み合い、社員が「会社を推したい」という情熱を失い、「やらされ感」に支配されてしまう状況を生み出してしまうのです。
社員が会社を「推したくなる」熱量を高める3つの実践術
それでは、社員が「やらされ感」から解放され、まるで自分の会社を「推したくなる」ような、高い「熱量」を持って仕事に取り組めるようになるための具体的なエンゲージメント向上策をご紹介します。
実践術1:「貢献実感」と「成長」を可視化する
社員が自分の仕事の「意味」を感じ、「成長している」と実感できる仕組みを整えることは、エンゲージメント向上の土台です。
1.「目的」と「全体像」の共有を徹底する
- ビジョン・ミッションの浸透: 会社の存在意義や目指す未来を、社員が「自分ごと」として捉えられるよう、繰り返し、具体的なエピソードを交えながら語りかけましょう。
- 業務の「貢献度」を見える化: メンバー一人ひとりの業務が、顧客や会社全体にどう貢献しているかを具体的に伝えましょう。
- 例:「〇〇さんの提案のおかげで、お客様からこんな感謝の言葉をいただきました!」
- 例:「君が改善した△△のプロセスで、年間〇〇万円のコスト削減に繋がったよ!」
2.「成長機会」と「キャリアパス」を明確にする
- 定期的な1on1ミーティング: 上司と部下が、業務の進捗だけでなく、キャリアの希望や成長に関する相談を定期的に行える場を設けましょう。
- 社内公募制度やジョブローテーション: 新しい役割や部署に挑戦できる機会を設け、社員が自身の可能性を広げられるようにします。
- 学びの支援: 資格取得支援、外部研修参加費補助、社内勉強会開催など、社員のスキルアップを積極的にサポートしましょう。
3.「頑張り」を適切に「評価」し、「承認」する
- 多角的な評価: 結果だけでなく、プロセスやチームへの貢献度も評価項目に含め、社員の頑張りを多角的に評価しましょう。
- 具体的なフィードバック: 良い点も改善点も、「SBI(状況・行動・影響)モデル」を活用し、具体的かつ未来志向で伝えましょう。
- 称賛の文化: 日常的に「ありがとう」「よくやったね」と声をかけ、社員の小さな貢献も見逃さずに称賛する文化を育みましょう。

実践術2:「安心感」と「つながり」を深める環境を作る
社員が安心して働け、会社や仲間との「つながり」を感じられる環境は、エンゲージメントの向上に不可欠です。
1.「心理的安全性」を徹底的に追求する
- 「弱さの開示」を奨励: リーダーが率先して弱みを見せたり、困りごとを共有したりすることで、社員も安心して本音を言えるようになります。
- 「失敗を許容し、学びを促す」文化: 失敗を責めるのではなく、そこから何を学べるかを共に考える姿勢を徹底します。
- 多様な意見を尊重する場: 会議や議論の場で、どんな意見も一旦受け止め、異なる視点を歓迎する雰囲気を創りましょう。
2.「コミュニケーション」の質と量を高める
- オープンな情報共有: 会社の経営状況や戦略、市場の変化など、可能な範囲で社員に透明性高く情報共有を行い、会社全体との一体感を醸成します。
- 気軽な雑談の場: ランチ会、休憩スペースの充実、社内イベントなどを通じて、業務とは関係ない気軽な会話ができる場を設け、社員間の人間関係を深めます。
- ITツールの活用: 社内SNSやチャットツールを、業務連絡だけでなく、社員間の交流や情報共有の場として活用し、活発なコミュニケーションを促します。
3.「ウェルビーイング」を重視した働き方を支援する
前回の記事でも触れた「ウェルビーイング経営」は、社員のエンゲージメントに直結します。
- ワークライフバランスの尊重: フレックスタイム、リモートワーク、時短勤務など、柔軟な働き方を導入・推進し、社員がプライベートも充実できる環境を整えましょう。
- 心身の健康サポート: ストレスチェック、外部相談窓口、リフレッシュ休暇など、社員の心身の健康を積極的にサポートする施策を講じます。
実践術3:「社員の声」を経営に活かす仕組みを作る
社員のエンゲージメントを真に高めるには、「会社が自分たちの声に耳を傾け、行動してくれている」という実感が不可欠です。
1.「エンゲージメントサーベイ」を定期的に実施する
- 継続的な実施: 年に一度だけでなく、半期に一度など定期的にエンゲージメントサーベイ(従業員意識調査)を実施し、社員の声を集めましょう。
- 結果の共有と対話: サーベイの結果を社員にフィードバックし、「なぜこのような結果になったのか」「どうすれば改善できるか」をチームで対話する場を設けます。
- 改善活動への活用: サーベイの結果に基づき、具体的な改善活動(例:業務プロセスの見直し、研修の実施、福利厚生の拡充など)を計画し、実行します。
2.「アイデア提案制度」や「改善提案制度」を設ける
- 社員が日々の業務の中で気づいた課題や、新しいアイデアを気軽に提案できる仕組みを作りましょう。
- 提案されたアイデアは、たとえ採用されなくても、真摯に検討し、フィードバックすることで、社員の「会社を良くしたい」という意欲を尊重します。
3.「社員主導」のプロジェクトを奨励する
- 社員が自ら課題を見つけ、解決策を提案し、実行する「社員主導のプロジェクト」を積極的に奨励しましょう。
- これにより、社員は「自分たちが会社を動かしている」という当事者意識と達成感を強く感じ、エンゲージメントが飛躍的に高まります。
まとめ:社員の「熱量」が、中小企業の「最高の資産」となる
いかがでしたでしょうか?
今回は、社員が「やらされ感」から解放され、まるで自分の会社を「推したくなる」ような、高い「熱量」を持って仕事に取り組めるようになるための3つのエンゲージメント向上策をお伝えしました。
- 「貢献実感」と「成長」を可視化する
- 「安心感」と「つながり」を深める環境を作る
- 「社員の声」を経営に活かす仕組みを作る
社員の「エンゲージメント」は、単なる精神論ではありません。それは、企業の生産性を高め、離職率を低下させ、顧客満足度を向上させ、そして何よりも、会社が持続的に成長し続けるための「最高の無形資産」です。
特に中小企業は、経営者と社員の距離が近いからこそ、きめ細やかな配慮と、社員一人ひとりの声に耳を傾けることで、大企業には真似できない「熱量の高いチーム」を築くことが可能です。
ぜひ今日から、あなたのチームで社員の「熱量」を高め、「会社を推したくなる」ようなエンゲージメントを育むための一歩を踏み出してみてください。それが、貴社のチームが持つ潜在能力を最大限に引き出し、持続的な成長を実現するための、確かな道となるでしょう。
次回の記事は、いよいよ連載最終回!これまでの学びを統合し、「常に進化する組織」になるための「持続可能な成長と自己変革」について深掘りしていきます。どうぞお楽しみに!








