【部下指導①】「任せる力」を育てる!仕事の渡し方・任せ方のコツ
新たにマネジャーとなった皆さんにとって、「仕事を任せる」というのは大きな壁の一つではないでしょうか。
つい「自分でやったほうが早い」と感じたり、「ちゃんとできるか不安」と思ったりして、仕事を抱え込んでしまうケースは少なくありません。
しかし、チームを育てるうえで「任せる力」は不可欠なスキルです。
適切に仕事を任せることができれば、部下の成長を促し、チーム全体の生産性と主体性を高めることができます。
今回は、組織開発コンサルタント、国家資格キャリアコンサルタントの視点から、
「任せる力」を育てるための具体的な仕事の渡し方・任せ方のコツをストーリーを交えながら丁寧にお伝えしていきます。
1章:「任せること」への恐れを乗り越える
以前、私が支援したD社のマネジャーDさんは、リーダーシップに定評がありながらも、なかなか部下育成が進まず苦しんでいました。
理由を探ると、彼はこう漏らしました。
「自分でやったほうが確実だし、任せて失敗されると結局手間が増えるから……」
この気持ちは多くの新任マネジャーに共通するものです。
しかし、部下は「任される経験」なしに成長することはありません。
むしろ、最初から完璧を求めず、「失敗も成長の一部」と捉える意識転換が必要です。
任せるとは、単なる「作業の委任」ではなく、
「部下の成長の機会をつくるリーダーの役割」なのです。
2章:任せる前に必要な3つの準備
仕事を任せる前には、必ず3つの準備をしておきましょう。
① ゴールを明確にする
任せるときに最も重要なのは、「何を達成するのか」というゴールをはっきり伝えることです。
曖昧な指示では、部下は迷ってしまいます。
たとえば、
• 「次回の会議資料を、来週月曜までにまとめてほしい」
• 「このプロジェクトで、お客様満足度を5%向上させるアイデアを出してほしい」
など、具体的な成果イメージを共有します。
② 成功の条件と評価基準を共有する
何をもって「うまくいった」と判断するか、あらかじめすり合わせておきます。
品質、納期、コスト、プロセスの基準などを明確にしましょう。
③ サポート体制を設計する
任せっぱなしではなく、適切なサポートを提供できる体制を用意しておきます。
例えば、
• 進捗確認のタイミングを決める
• 困ったときに相談できる窓口を明示する
といった配慮が、安心して任せられる環境をつくります。
3章:仕事の「渡し方」で差がつく
仕事を任せるときには、どのように仕事を渡すかも大きなポイントです。
【効果的な仕事の渡し方5ステップ】
① 背景を説明する
→ 仕事の目的や背景を共有し、部下が「なぜこの仕事をするのか」を理解できるようにします。
② ゴールを明確に伝える
→ 成果イメージを具体的に示します。
③ 期待するプロセスを伝える
→ 完成イメージだけでなく、進め方のコツや注意点も共有します。
④ 質問を促す
→ 「わからないことはない?」と積極的に質問を促し、理解度を確認します。
⑤ 権限と裁量を明示する
→ 「ここまでは自由に進めていい」「ここは必ず相談してほしい」など、権限の範囲を明確にします。
この流れを丁寧に踏むことで、部下は安心して主体的に動くことができるようになります。
4章:任せた後にやるべきサポートとは?
任せた後も、「放置」ではなく「伴走」する意識が大切です。
具体的には、
• こまめな進捗確認(マイクロマネジメントではなく、支援的スタンスで)
• ポジティブなフィードバック(小さな進展にも光を当てる)
• 障害が出たときのサポート(責任追及より原因共有)
これらをバランスよく行うことが求められます。
特に、「できている点」をきちんと認め、称賛することが、部下の成長意欲を大きく後押しします。
また、うまくいかなかったときも、失敗を責めるのではなく、
「何が原因だったか」「次はどうするか」
を一緒に考える姿勢を持ちましょう。
5章:任せる力はチームを「自走」させる力になる
任せる力を育てることは、チームにとって単なる業務効率化以上の意味を持ちます。
それは、メンバー一人ひとりが「自分で考え、動く」力を育てることにつながります。
自走できるチームは、マネジャーの指示を待たずに、
• 自主的に課題を見つけ
• 解決策を考え
• チーム全体で成果を上げる
というサイクルを回すことができます。
つまり、「任せること」こそ、マネジャー自身が真のリーダーシップを発揮するためのカギなのです。
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(著:ケン・ブランチャード、パトリシア・ジガーミ、ドレナ・ジガーミ)
「任せる力」を育てるうえで、新任マネジャーにとって非常に参考になる一冊です。
本書では、部下一人ひとりの「発達段階」に応じた指導スタイル(教える・支援する・委任する)を選ぶことの重要性がわかりやすく解説されています。
ただ任せるだけではなく、成長に合わせたサポートを変えることで、部下の自立を促す。
そんな、任せ方の本質が学べる内容です。
短時間で読める実践書なので、忙しいマネジャーにもぴったりです。








