善くはたらくための考察

単なるビジネススキルではなく、働くことの本質を深考することが、真の組織成長に繋がると考えます。
ここでは、長年の実務経験と、ドラッカー理論、心理学の知見を融合させた考察を定期的に発信しています。

この6日間、善く働くチームを育てるために必要な「文化づくり」「信頼関係構築」「具体的な行動」「部下指導」のスキルについて学んできました。

新任マネジャーにとって、これらはすべて重要なテーマです。

そして、最後にお伝えしたいのは、「チームを育てるには、マネジャー自身が成長し続けることが不可欠だ」ということです。

チーム文化は、リーダーの背中から育ちます。

あなた自身が、学び続け、成長し続けることで、チームは自然とそれを映し出すようになります。

今回は、組織開発コンサルタント・国家資格キャリアコンサルタントとしての経験をもとに、

「自己成長し続けるマネジャー」になるための具体的なヒントを、ストーリーを交えながらご紹介します。

1章:チームはマネジャーの「鏡」

私が支援したある企業では、最初、チームの雰囲気が停滞していました。

メンバーたちは指示を待ち、自発的に動くことが少なかったのです。

しかし、新任マネジャーが「自分がもっと学び、挑戦する姿勢を見せよう」と決意した途端、状況が大きく変わりました。

彼は積極的に外部セミナーに参加し、学んだことをチームにシェアしました。

また、失敗もオープンに語り、自分自身も成長し続ける姿を見せました。

すると、部下たちも自然と学びに前向きになり、挑戦する文化が芽生えてきたのです。

チームは、マネジャーの在り方を映す鏡です。

だからこそ、自分自身の成長に投資し続けることが、最も確実なチームづくりにつながるのです。

2章:自己成長を支える3つの習慣

では、具体的にどのように自己成長を続ければいいのでしょうか?

ここでは、私が多くのマネジャーに推奨している3つの習慣をご紹介します。

① 毎週「小さな学び」を振り返る

週に一度、5分でいいので、

• 今週、自分が成長できたこと

• うまくいったこと

• 課題だと感じたこと

をメモに書き出しましょう。

小さな学びを積み重ねることが、大きな成長につながります。

② フィードバックを積極的に求める

部下や同僚、上司から、積極的にフィードバックをもらいましょう。

「自分に足りないところは何か?」

「もっと良くできることは?」

を素直に聴くことで、盲点に気づくことができます。

フィードバックは「怖いもの」ではありません。

成長のための宝物です。

③ チャレンジ目標を自分に課す

年に一度、あるいは半年に一度、

「自分が挑戦したいこと」

を一つ決めましょう。

たとえば、

• 新しいマネジメント手法を取り入れる

• 社外の勉強会に参加する

• 新規プロジェクトをリードする

といったチャレンジです。

成長は、コンフォートゾーンを出るところから始まります。

3章:学びをチームに還元する――リーダーの「シェア力」

自己成長をチームに還元するには、「学びを惜しみなく共有する」ことが大切です。

ここで重要なのは、ただ知識を披露するのではなく、「一緒に学ぼう」というスタンスを持つことです。

私が支援していたE社のマネジャーEさんは、外部研修で学んだ内容を毎月一度、チーム内で「学びの共有会」として発表していました。

ただし、単なる講義形式ではありません。

「こんなことを学んだのだけれど、みんなはどう思う?」

「うちのチームに取り入れるなら、どんな工夫ができるだろう?」

と、必ずチーム全員で対話を交える工夫をしていたのです。

この取り組みを半年続けた結果、チーム内では自然に「学びを共有し合う文化」が芽生えました。

誰かがセミナーや研修に行った際には、自然と「今度、学びをシェアしてね!」という声が上がるようになったのです。

マネジャーの学びを起点に、チームの学びを広げる。

これが、善く働くチームを育てるリーダーの「シェア力」です。

【すぐできる実践アイデア】

• セミナー参加後、1枚のスライドに要点をまとめてチームに共有する

• 書籍や記事を読んだら、感想と気づきをメンバーに話す

• 月1回の「学びの朝会」を設定し、気軽に知見を持ち寄る

学びは、自分の中に閉じ込めず、オープンにシェアすることで、組織全体の成長エネルギーになります。

4章:完璧を目指さない、成長を楽しむ――「未完成リーダー」のすすめ

新任マネジャーは、「ちゃんとしなきゃ」「完璧なリーダーでいなきゃ」と思いがちです。

しかし、完璧を目指すあまりに硬直してしまうリーダーは、周囲に近寄りがたい印象を与えてしまいます。

私が見てきた、チームから愛されるリーダーには共通点があります。

それは、「自分が未完成であること」を自然体で受け入れているという点です。

あるF社の若手マネジャーFさんは、初めてのマネジメントに戸惑いながらも、

「自分も日々学びながら、みんなと一緒に成長していきたい」

と率直にチームに伝えました。

最初は不安そうだったメンバーも、

• 「一緒に学べる」

• 「ミスしても受け止めてもらえる」

と感じるようになり、安心して挑戦できるようになりました。

結果として、Fさんのチームは半年後に、全社表彰されるほどの成果をあげたのです。

【「未完成リーダー」として成長を楽しむためのポイント】

• 弱さや迷いを隠さない(「悩んでいる」と言える勇気)

• 失敗したら素直に認めて、笑い飛ばす

• 「一緒に成長しよう」と言葉にして伝える

完璧なリーダーではなく、進化し続けるリーダーであれ。

このマインドを持つことで、マネジャー自身も、チームも、どんどん成長していきます。

📚おすすめの一冊

『リーダーシップの旅――見えないものを見る』

(著:野田智義・金井壽宏)

リーダーとして成長していく過程で何が必要か――

その答えを深い対話形式で描き出した一冊です。

本書は、単なるリーダーシップのノウハウではなく、

「リーダーとして生きるとはどういうことか」

を豊かなストーリーを通して読者に問いかけます。

リーダーになるとは、技術やスキルだけではなく、

自己理解を深め、迷いながらも進んでいく「旅」のようなものです。

新任マネジャーとして、これから成長し続けるあなたにとって、深い示唆と勇気を与えてくれる一冊になるでしょう。

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