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梅雨のジメジメを吹き飛ばす!坂本的マインドセット噺

ジメジメ気分を吹き飛ばす!~ネガティブ感情との上手な付き合い方~

皆さん、こんにちは。坂本です。

梅雨入りの話題が多くなるこの時期、どんよりとした空模様が気分に影響を及ぼしやすい季節となりました。湿気の多さや日照時間の減少は、私たちの心身に少なからず影響を与え、倦怠感や憂鬱な気分、集中力の低下などを引き起こすことがあります。

昨日、私たちは「マインドセット」が私たちの行動や結果、そして幸福感を左右する「心のOS」であることを学びました。今日は、この「心のOS」をさらに活用し、梅雨時に感じやすいネガティブな感情とどのように向き合い、上手に付き合っていくかについて、実践的なヒントを深掘りしていきます。ネガティブな感情は決して「悪者」ではありません。むしろ、それらは私たちに大切なメッセージを伝えてくれるサインなのです。そのサインを正しく読み解き、しなやかなマインドセットで乗りこなす方法を一緒に考えていきましょう。

1. 梅雨のジメジメが心に与える影響:なぜネガティブ感情になりやすいのか

梅雨の時期に多くの人が感じる「ジメジメした気分」は、単なる気のせいではありません。気象条件の変化が、私たちの生理的なシステムに影響を与えていることが科学的に示されています。

1.1. 気象病と心の関係性:低気圧とセロトニン

気圧の変化、特に低気圧が続くことは、自律神経のバランスに影響を与えることが知られています。自律神経は、交感神経(活動・興奮)と副交感神経(休息・リラックス)から成り立っており、これらがバランスよく働くことで心身の健康が保たれています。低気圧が続くと、副交感神経が優位になりやすいため、だるさや眠気、集中力の低下を感じやすくなります。

また、日照時間の減少は、セロトニンという神経伝達物質の分泌に影響を与えます。セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、気分を安定させ、幸福感をもたらす働きがあります。日光を浴びることで分泌が促進されるため、日照時間が少ない梅雨時期は、セロトニン不足に陥りやすく、結果として気分の落ち込みや意欲の低下、睡眠の質の低下に繋がりやすいのです。

これらの生理的な変化が、心理的なネガティブ感情、例えば「憂鬱」「イライラ」「不安」「無気力」といった感情を増幅させる要因となります。

2. ネガティブ感情は「悪者」ではない:その意味と役割

私たちはとかく、ネガティブな感情を「感じてはいけないもの」「早くなくすべきもの」として捉えがちです。しかし、ネガティブ感情は、私たちが生きる上で非常に重要な役割を担っています。

2.1. ネガティブ感情は「危険信号」であり「変化へのサイン」

心理学において、感情は私たちに何かを伝える「情報」であると考えられています。例えば、「不安」は潜在的な危険を知らせ、「怒り」は自分の境界が侵害されていることを示し、「悲しみ」は喪失を受け入れ、回復に向かうプロセスを促します。

  • 不安: 未知の状況や脅威に対して、警戒を促し、準備を促すサインです。「このプレゼン、本当に大丈夫かな?」という不安は、資料の再確認や練習を促し、結果として良い準備に繋がります。
  • 怒り: 不公平な状況や自分の価値観が侵害された時に生じ、行動を起こすエネルギーを与えます。「なぜ私ばかりが…」という怒りは、自己主張や改善要求のきっかけになることがあります。
  • 悲しみ: 大切なものを失った時に生じ、心身の休息や回復を促します。悲しむことで、過去の出来事を乗り越え、次へと進むための準備ができます。
  • 倦怠感・無気力: 心身が疲弊しているサインであり、休息やペースダウンの必要性を教えてくれます。「何もする気がしない」という感情は、無理をしすぎている体からのSOSかもしれません。

これらの感情は、私たち自身を守り、状況を改善するために必要な情報を提供してくれているのです。無理に抑え込もうとすると、かえってストレスが蓄積したり、問題の本質を見誤ったりする可能性があります。

3. しなやかなマインドセットでネガティブ感情と上手に付き合う方法

それでは、具体的な「付き合い方」について見ていきましょう。重要なのは、感情を「コントロールする」のではなく、「感情とどう向き合うか」というマインドセットを育むことです。

3.1. 「固定マインドセット」から「成長マインドセット」への転換

ネガティブ感情に囚われやすい人は、しばしば「この気分は永遠に続く」「自分はネガティブな人間だ」といった固定マインドセットに陥りがちです。しかし、成長マインドセットを持つことで、感情への捉え方が変わります。

  • 固定マインドセット: 「憂鬱なのは梅雨のせいだ。どうせ変わらない。」
  • 成長マインドセット: 「今は憂鬱な気分だけど、これは一時的なものだ。何か気分転換になることを試してみよう。」

この小さな意識の変化が、行動の選択肢を広げ、感情の泥沼にはまり込むのを防ぎます。

3.2. ネガティブ感情と向き合う3つのステップ

ここでは、ネガティブ感情が生まれた際に実践できる、具体的な3つのステップをご紹介します。これは、認知行動療法やマインドフルネスの考え方にも通じるアプローチです。

⒈ 【ステップ1】感情に気づき、名前を付ける(Feel & Label):

  • 感情が湧き上がってきたら、まずその存在に気づきます。「ああ、今、私はイライラしているな」「なんだか落ち込んでいるな」というように、自分の感情を客観的に認識し、言葉にしてラベリングします。この時、「なぜこんなにイライラするんだ!」と自分を責めたり、感情を排除しようとしたりしないことが重要です。ただ、「今、この感情がある」と事実として受け止めることから始めます。脳科学的にも、感情に名前を付けることで、感情を司る扁桃体の活動が抑制され、感情のコントロールがしやすくなると言われています。

⒉ 【ステップ2】感情を受け止める(Accept):

  • 感情に気づいたら、それを「良い」「悪い」と判断せずに、ただ**「今、ここにこの感情がある」と受け止めます**。これは、感情に同意するわけでも、それに従うわけでもありません。「今、私は不安を感じているが、それも私の一部だ」というように、ありのままを容認する姿勢です。この「受け止める」という行為は、感情と自分との間に適切な距離を作り、感情に飲み込まれるのを防ぎます。深呼吸をしながら、「ああ、そうか」と心の中でつぶやくだけでも効果があります。

⒊ 【ステップ3】行動を選択する(Choose to Act):

  • 感情を受け止めた上で、次に「この感情がある中で、自分はどう行動したいか?」を意識的に選択します。ネガティブ感情に流されて衝動的な行動を取るのではなく、自分の価値観や目標に沿った行動を選ぶのです。例えば、イライラしている時に、衝動的に相手に怒りをぶつけるのではなく、「一旦、この場を離れてクールダウンしよう」「深呼吸してから、落ち着いて自分の意見を伝えよう」といった建設的な行動を選ぶことができます。
  • 梅雨の憂鬱感であれば、「少し散歩に出て気分転換しよう」「好きな音楽を聴いてリラックスしよう」「温かい飲み物を淹れて、ゆっくり読書をしよう」といった、自分を労わる行動を選択するのです。
ネガティブ感情と向き合う3ステップ

4. 今日からできる!梅雨のジメジメ気分を解消する具体的なヒント

上記3つのステップを踏まえ、日々の生活で実践できる具体的なヒントをいくつかご紹介します。

4.1. 運動と日光浴(室内でもOK)

  • 適度な運動: ウォーキング、ストレッチ、軽い筋トレなど、体を動かすことはセロトニンの分泌を促し、気分を高める効果があります。雨の日でも、室内でできる簡単な運動や、YouTubeのフィットネス動画を活用するのも良いでしょう。
  • 光を浴びる: 日照時間が短い時は、意識的に明るい場所で過ごしましょう。起床時にカーテンを開けて自然光を浴びる、高照度照明(光療法ライト)を利用するなども有効です。

4.2. 食事と睡眠の質を高める

  • バランスの取れた食事: セロトニンの材料となるトリプトファンを多く含む食品(乳製品、大豆製品、ナッツ類、バナナなど)を意識的に摂取しましょう。
  • 質の良い睡眠: 不規則な睡眠は自律神経を乱します。毎日決まった時間に寝起きし、寝る前のスマートフォン使用を控えるなど、質の良い睡眠を心がけましょう。

4.3. マインドフルネスと感情のラベリング

  • 呼吸に意識を向ける: 短時間でも良いので、静かに座り、自分の呼吸に意識を向けてみましょう。吸う息、吐く息を感じることで、心のざわつきが落ち着き、感情と自分との間にスペースが生まれます。
  • ジャーナリング: 感じている感情をノートに書き出すことは、感情を客観視し、整理するのに役立ちます。誰に見せるわけでもないので、ありのままの感情を書き出してみましょう。

4.4. 小さな「ご褒美」と「感謝」

  • 自分へのご褒美: 雨の日だからこそ、お気に入りの飲み物を淹れる、好きな映画を見る、ゆっくり入浴するなど、自分を労わる時間を作りましょう。
  • 感謝を見つける: どんなに小さなことでも良いので、感謝できることを見つけてみましょう。「温かいコーヒーが飲めること」「雨音を聞きながらリラックスできること」など、ポジティブな側面に意識を向けることで、心の状態が変わってきます。これは、まさに「成長マインドセット」の視点に立つ練習になります。

おわりに:感情の波を乗りこなし、前向きな日々を

今日の記事では、梅雨のジメジメした気分を引き起こすネガティブ感情のメカニズムと、それらを「悪者」にせず、上手に付き合うための具体的な方法についてご紹介しました。

ネガティブ感情は、私たちがより良く生きるための大切なサインです。それを無理に抑え込むのではなく、「気づき、受け止め、そして意識的に行動を選択する」というプロセスを経ることで、私たちは感情の波に飲み込まれることなく、むしろその波を乗りこなし、よりしなやかに、そして力強く前に進むことができるようになります。

私たちの心のOSであるマインドセットを「成長」へと向けることで、どんな天気の日も、どんな困難な状況も、自分にとっての学びや成長の機会へと変えることができるのです。今日から、ぜひ小さな実践を始めてみてください。その一歩一歩が、あなたの人生をより豊かなものに変えていくはずです。

明日は、「変化を恐れない心を作る!~VUCA時代を生き抜く「しなやかさ」の秘訣~」と題して、不確実性の高い現代を生き抜くためのマインドセットについて深掘りします。どうぞお楽しみに!

あなたが自分自身の感情と上手に付き合い、毎日を前向きに過ごせるよう、全力で応援いたします。

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