善くはたらくための考察

単なるビジネススキルではなく、働くことの本質を深考することが、真の組織成長に繋がると考えます。
ここでは、長年の実務経験と、ドラッカー理論、心理学の知見を融合させた考察を定期的に発信しています。

「失敗」を「成長」に変える!レジリエンスを高める思考法

こんにちは、坂本です。皆さんのキャリアと組織の成長を応援しています。

皆さんは、仕事や人生で失敗した時、どう感じますか?

「ああ、やってしまった…」「もうダメだ…」と落ち込んだり、もう二度と挑戦したくない、と感じたりするかもしれませんね。

私たち日本人は、「失敗は恥ずかしいこと」という文化的な価値観を強く持っている傾向があるため、失敗を必要以上に恐れてしまうことがあります。でも、もし、失敗が成長するための貴重な「栄養」だとしたら?

今日は、変化が激しい現代において、誰にとっても不可欠な心のスキル、「レジリエンス」(心の回復力、しなやかさ)についてお話しします。レジリエンスとは、困難や逆境に直面しても、それに適応し、回復する力のこと。この力を高めることができれば、あなたは失敗を恐れることなく、どんな逆境も乗り越え、さらに強く成長していくことができるでしょう。

1. なぜ今、「レジリエンス」が重要なのか?

VUCA(変動性、不確実性、複雑性、曖昧性)の時代と呼ばれる現代は、予測不能な出来事が次々と起こります。計画通りに物事が進まないこと、努力が報われないこと、予期せぬトラブルに見舞われることなど、失敗や挫折は、もはや日常茶飯事と言っても過言ではありません。

そんな時代に、失敗を恐れて立ち止まってしまうことは、大きな機会損失に繋がります。大切なのは、失敗を恐れることではなく、失敗からいかに早く立ち直り、次の一歩を踏み出すか。その「心の回復力」こそが、個人と組織の成長を左右する、最も重要な要素の一つなのです。

失敗は「過去の自分」と「未来の自分」を繋ぐ道標

「迷子の法則」のお話を覚えていますか? 人生の迷子になる人は、①どこにむかっていけばいいのか、②どこからきたのか、③自分は今どこに居るのかが分からなくなると言われています。失敗は、この「どこへ向かえばいいのか」を教えてくれる、貴重な道標となり得ます。

  • 失敗した理由を分析することで、「自分の弱みはどこにあるのか」「どうすれば次はもっとうまくやれるのか」という現在地を知ることができます。
  • 失敗から得た教訓は、「次はどうするべきか」という未来への道筋を明確にしてくれます。

つまり、失敗は、単なるネガティブな出来事ではなく、「過去の自分」と「未来の成長した自分」を繋ぐ、最も確実な学習機会なのです。

心理学が示す「マインドセット」の力

スタンフォード大学の心理学者、キャロル・S・ドゥエックは、人間の考え方には「固定マインドセット」と「成長マインドセット」の二種類があることを提唱しました。

  • 固定マインドセット:「自分の能力は固定的で変わらない」と考える。失敗を「自分の能力の限界」と捉え、挑戦を避ける傾向にある。
  • 成長マインドセット:「自分の能力は努力次第で伸ばせる」と考える。失敗を「成長のためのチャンス」と捉え、積極的に挑戦し続ける傾向にある。

どちらのマインドセットを持つかで、失敗に対する姿勢は180度変わります。レジリエンスを高めるためには、この「成長マインドセット」を意識的に育むことが不可欠です。

ドラッカーが説く「強み」の活用

ピーター・ドラッカーは、「人の能力は、弱みではなく強みに焦点を当てることで、最大限に発揮される」と述べています。これはレジリエンスにも通じる考え方です。

失敗したとき、つい自分の弱点ばかりに目が向きがちですが、まずは「今回の失敗から、自分のどんな強みが活かせたか?」、そして「次に活かせる強みは何か?」を考えるようにしてみてください。強みに焦点を当てることで、自己肯定感が保たれ、前向きに次の行動へと踏み出すことができるでしょう。

2. 「レジリエンス」を高めるための具体的な習慣

頭で理解するだけでなく、日々の生活の中でレジリエンスを鍛えるための具体的な習慣を3つご紹介します。

習慣1:失敗を「学びのメモ」として記録する

失敗した時、「ああ、最悪だ…」で終わらせていませんか? もったいない! それを「学び」に変える習慣をつけましょう。

実践方法:

  1. 「失敗ノート」を作る:ノートでもスマートフォンのメモでも構いません。
  2. 3つの項目を書き出す
    • 事実: 何が起きたのか?(例:プレゼンで顧客に契約を断られた)
    • 感情: その時どう感じたか?(例:悔しい、情けない)
    • 学び: 次にどう活かせるか?(例:提案資料の〇〇が不十分だった、顧客のニーズを事前に把握できていなかった)

この習慣は、失敗を客観的に分析し、感情に流されずに次に繋げるための強力なトレーニングになります。

習慣2:「ポジティブ・リフレーミング」を練習する

同じ出来事でも、見方を変えるだけで、意味は全く変わります。これを「ポジティブ・リフレーミング」と言います。

例えば、

  • 「プレゼンで失敗した」「プレゼンを改善するための貴重なデータが手に入った」
  • 「上司に厳しく注意された」「上司は私の成長を真剣に願ってくれている」

最初は難しく感じるかもしれませんが、意識的に「別の見方はできないかな?」と自問自答する習慣をつけるだけで、思考の柔軟性が高まり、レジリエンスが鍛えられます。

習慣3:「やり抜く力 GRIT」を意識する

アンジェラ・ダックワース氏の著書『やり抜く力 GRIT』では、成功には「才能」よりも「情熱」と「粘り強さ」が重要であると説かれています。

レジリエンスは、このGRIT(グリット)と密接に関係しています。困難に直面したときでも、「必ずやり遂げる」という情熱と粘り強さを持つことで、あなたは何度でも立ち上がり、前へ進むことができるでしょう。

小さな目標からでも構いません。「今日は〇〇を必ずやり遂げる!」と決めて、毎日一つずつやり抜く経験を積み重ねてみてください。この小さな成功体験の積み重ねが、やがてあなたのGRITを、そしてレジリエンスを大きく育んでくれます。

まとめ:失敗は「成長への燃料」だ!

いかがでしたでしょうか?

レジリエンスは、生まれ持ったものではなく、誰でも育むことができる「心の筋肉」です。失敗をネガティブなものとして捉えるのではなく、「成長への燃料」だと考え方を変えるだけで、あなたの人生は大きく前進します。

失敗から学び、立ち直り、さらに強くなる。このサイクルを回すことで、あなたはどんな逆境にも負けない、真の「自分軸リーダーシップ」を確立することができるでしょう。

さあ、今日から失敗を恐れず、新しい一歩を踏み出してみませんか? あなたの未来は、無限の可能性を秘めています。

お読みいただきありがとうございました。皆さんのキャリアと組織の成長にお役に立てれば幸いです。

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