善くはたらくための考察

単なるビジネススキルではなく、働くことの本質を深考することが、真の組織成長に繋がると考えます。
ここでは、長年の実務経験と、ドラッカー理論、心理学の知見を融合させた考察を定期的に発信しています。

自分の人生に「ありがとう」を贈る日~心を満たすセルフリフレクション~

こんにちは、坂本です。皆さんのキャリアと組織の成長を応援しています。

5日間にわたる連載『働く』を楽しむための「心のコンディション」マネジメント術も、今日で最終回です。

  • Day1:自分の頑張りすぎに気づくセルフチェック術
  • Day2:仕事のストレスを成長の糧に変える思考法
  • Day3:「自信がない」を卒業する行動メソッド
  • Day4:心の安全基地を創る共感コミュニケーション
  • Day5:「仕事は遊び、遊びは仕事」にする時間管理術

この連載を通じて、私は一貫して、「キャリア自律とは、スキルやノウハウだけでなく、それらを支える心の土台を築くことである」というメッセージをお伝えしてきました。

そして、その心の土台を完成させる最後のピースは、「これまでの自分の歩みを肯定し、感謝すること」です。

キャリア自律というと、「未来の自分をどう創るか」という視点にばかり意識が向きがちですが、過去を肯定できなければ、私たちは未来への一歩を安心して踏み出すことができません。

悔しかったこと、失敗したこと、辛かったこと。

これらは決して無駄な経験ではなく、すべてが「今の自分」を創り上げるための大切な要素です。

今日は、その過去の自分に感謝を贈り、心を満たすための「セルフリフレクション(自己内省)」についてお話しし、皆さんのキャリアの旅を締めくくりたいと思います。

なぜ、自分自身に感謝を贈ることが大切なのか?

なぜ、私たちは自分自身に感謝を贈る必要があるのでしょうか?

それは、感謝の念を持つことが、自己肯定感を育み、未来への挑戦の原動力となるからです。

私たちは、仕事で失敗したり、目標を達成できなかったりすると、すぐに自分を責めてしまいがちです。

しかし、その時、あなたが感じた「怒り」や「不安」は、「仕事に真剣に向き合っていた証」です。そして、その感情は、次の成長のための「気づき」を与えてくれる大切な贈り物だと、Day2の記事でもお伝えしましたね。

このことについて、ある方が「怒りや不安を『悪者』として排除するのではなく、その感情を自己理解や成長に繋げる。このことに気づき、そのスキルを正しく持つこと、この時代に働くビジネスパーソンには必須のスキルだと思います。」とおっしゃっていました。

まさにその通りだと思います。

過去の経験を、単なる「失敗」として流してしまうのではなく、「あの経験があったから、今の自分がある」と捉え直すこと。

そのために不可欠なのが、意識的に「リフレクション(振り返り)」を行う習慣です。

後悔を「心の羅針盤」に変えるリフレクション

私たちは、人生の節目や、ふとした瞬間に「もし、あの時こうしていれば…」と後悔の念に駆られることがあります。

  • 「もう少し、あのプロジェクトに時間を費やしていれば…」
  • 「上司に反発せず、うまく立ち回っていれば…」
  • 「もっと早く、新しいスキルを学んでおけばよかった…」

こうした「後悔」は、心の痛みを伴うものですが、決して悪いものではありません。それは、あなたが「何を大切にしたいか」「どうありたいか」を教えてくれる、貴重な心の声なのです。

この後悔の念を感情のままに放置せず、丁寧に紐解いていくことで、私たちはそれを「未来の行動を導く羅針盤」に変えることができます。

  • 後悔の念: 「もっと早く、新しいスキルを学んでおけばよかった…」
  • リフレクション(自己内省):
    • なぜ、そう思うのだろう? → 「今の仕事で、もっと大きな成果を出したいからだ」
    • 学ぶことを避けていたのはなぜだろう? → 「失敗するのが怖かった」「時間がないと思っていた」
    • この後悔から、どんな「学び」を得られるだろう? → 「完璧を求めず、小さな一歩から始める勇気が必要だ」「時間は創り出すものだ」
    • この学びを、次にどう活かせるだろう? → 「明日から毎日5分だけでも、新しい分野のニュースをチェックしてみよう」

このように、後悔を具体的な問いかけを通して分析し、未来への行動へと繋げることで、過去の経験は、私たちを前に進めるための強力なエネルギーへと変わります。

心を満たす「セルフリフレクション」実践ガイド

では、どうすれば自分に感謝を贈るためのセルフリフレクションができるのでしょうか。

ここでは、誰でも簡単に始められる実践的なガイドをお伝えします。

1. 「感謝ログ」をつける

毎日、就寝前の5分間で、その日あった「良かったこと」や「感謝したいこと」を3つ、紙に書き出してみましょう。

  • 例:
    • 仕事で新しいアイデアが浮かんだこと。
    • 同僚が「ありがとう」と言ってくれたこと。
    • 帰り道に、きれいな夕焼けが見えたこと。

仕事の成功だけでなく、日常の些細な出来事でも構いません。この習慣は、私たちの意識をネガティブな出来事からポジティブな出来事へと向けさせ、心のコンディションを整えてくれます。

2. 「過去の自分への手紙」を書く

数年、あるいは数十年先の未来の自分を想像し、今の自分へ手紙を書いてみましょう。

  • 例:
    • 挑戦に迷っている自分へ:「一歩踏み出した勇気は、未来の自分を必ず支えてくれるよ」
    • 失敗して落ち込んでいる自分へ:「その経験は、決して無駄じゃない。次にどう活かすかを考えられる君なら大丈夫」

そして、今度は過去の自分へ手紙を書いてみましょう。

  • 例:
    • 過去の頑張ってきた自分へ:「あの時、一生懸命に頑張ってくれてありがとう。そのおかげで、今の自分がいるよ」

このエクササイズは、自己肯定感を高め、過去の自分を温かく受け入れるきっかけになります。

3. 「心の4Lバランス」を定期的に見直す

最初の連載で扱った「4L理論」は、心のコンディションを整える上で非常に有効なツールです。

  • 実践のヒント:
    • 月に一度、自分だけの時間を持つ。
    • Labor(仕事)」「Love(人間関係)」「Leisure(余暇)」「Learning(学び)」のバランスが、今の自分にとって最適かを見直す。
    • 「もし、このバランスが崩れているとしたら、何を変えたいか?」を問いかける。

この定期的なセルフリフレクションの習慣こそが、人生というコンパスの針を、あなたが本当に進みたい方向へと向けるための、最も強力な武器になるのです。

    まとめ:連載の終わりに、感謝を込めて

    5日間にわたる連載を通じて、私は皆さんと一緒に、「心のコンディション」の重要性について深く考えることができました。

    • 頑張りすぎている自分に気づく勇気。
    • 感情を自己理解に繋げる知恵。
    • 小さな一歩から自信を育む行動力。
    • 信頼という心の安全基地を創る温かさ。
    • 仕事と遊びの境界をなくす創造性。

    これらはすべて、自分だけの「悔いのない人生」を歩むために不可欠な要素です。

    そして、その旅路の原動力は、あなた自身が持っています。

    時間は命、時間そのものが人生」です。

    その時間を、無碍に過ごすのではなく、一つひとつの経験や体験を「学び」に変え、自分自身を肯定し続けること。この意識こそが、あなただけの豊かなキャリアと人生を創り上げる鍵となるはずです。

    この連載が、皆さんの心に温かい光を灯す、小さなきっかけとなれば幸いです。

    そして、この連載を最後までお読みいただいた皆様に、心からの感謝を込めて。

    本当にありがとうございました。

    お読みいただきありがとうございました。皆さんのキャリアと組織の成長にお役に立てれば幸いです。

    関連記事一覧