チーム信頼度を測る!中小企業向けマップで実践改善
「うちのチーム、本当の信頼度は?」~見えない「人間関係の空気」を可視化する「信頼度マップ」を作ろう!
皆さん、おはようございます!坂本です。
この1週間、私たちは「いいチーム」の土台となる要素を深く掘り下げてきました。
- リーダーシップの再定義: 支配から「支援」へ
- メンバーシップの重要性: 「やらされ感」をなくし、主体的な貢献へ
- 心理的安全性: 本音で語れる安心感の重要性
- 信頼構築: 「弱さの開示」から生まれる本物の絆
これらの要素は、どれも「チームの空気」や「人間関係」といった、目に見えにくいものばかりです。しかし、だからこそ、その状態を客観的に捉え、改善していくためのツールが不可欠になります。
中小企業の経営者やリーダーの皆さんの中には、「うちのチームは、まあまあ信頼関係は築けている方だろう」「みんな仲良くやってるし…」と感じている方もいらっしゃるかもしれませんね。でも、本当にそうでしょうか?
もしかしたら、あなたが見えているのは表面的な「仲良しごっこ」で、水面下では不信感や遠慮が渦巻いている…なんてことはありませんか?
今回は、そんな目に見えない「チームの信頼度」を可視化し、具体的な改善策を見つけるための実践ワークとして、「チーム信頼度マップ」の作成方法をご紹介します。
このワークを通じて、あなたのチームの現状を客観的に把握し、どこに課題があり、どこから手をつければ良いのかを明確にしていきましょう。
なぜ「信頼度マップ」を作るのか?~「感覚」を「データ」に変える~
「信頼度マップ」を作る最大の目的は、曖昧な「感覚」や「思い込み」を、客観的な「データ」に変えることです。
私たちは、自分が見たいものだけを見てしまう傾向があります。「うちのチームは大丈夫」と思い込みたい気持ちはよくわかります。しかし、その思い込みが、潜在的な課題を見過ごし、チームの成長を妨げる要因となることもあるのです。
信頼度マップを作成することで、以下のようなメリットが得られます。
- 現状の可視化: チーム内の信頼関係が、誰と誰の間で、どのような状態にあるのかを一覧で把握できます。
- 課題の明確化: 特定のメンバー間、あるいは特定の部署間に信頼のギャップがあることを見つけられます。
- 具体的な改善策の検討: 課題が明確になることで、「誰に対して」「どのようなアプローチ」で信頼構築を図るべきかが具体的に見えてきます。
- チーム内議論の促進: マップを共有することで、チーム内で「信頼」についてオープンに話し合うきっかけが生まれます。
このマップは、一度作って終わりではありません。定期的に見直し、改善のサイクルを回すことで、継続的にチームの信頼度を高めていくための強力なツールとなります。
実践ワーク:あなたのチームの「信頼度マップ」を作ってみよう!
さあ、ペンと紙、またはホワイトボード、付箋などをご用意ください。チーム全員で行っても良いですが、まずはリーダーであるあなたが一人で作成してみることから始めるのがおすすめです。
準備するもの
- 大きめの紙(模造紙など)またはホワイトボード
- ペン、マーカー
- 付箋(複数色あると便利)または異なる色のペン
- (必要であれば)チームメンバーの名前リスト
ステップ1:チームメンバーを配置する(円形・放射状に)
まず、紙やホワイトボードの中央に、あなた自身の名前を書きましょう。
次に、その周囲に、チームメンバー全員の名前を書き出していきます。部署や役職に関わらず、全員を円形や放射状に配置してください。

ステップ2:信頼関係の「質」を線で結ぶ
ここからが本番です。各メンバー間(あなたとメンバー、メンバー同士)の信頼関係を、線の色や種類で表現していきます。付箋を使う場合は、線の代わりに付箋の色で表現しても良いでしょう。
線の種類(または付箋の色)の例:
- 信頼関係が非常に強い(本音で何でも話せる): 太い実線、または赤色の線
- 信頼関係は概ね良好(一般的な業務は問題なし): 細い実線、または青色の線
- 信頼関係に課題あり(遠慮がある、意見が言いにくい): 波線、または黄色の線
- 信頼関係が低い(不信感がある、コミュニケーションが少ない): 点線、またはグレーの線
- (オプション)一方的な関係: 片方から矢印を引く(例:AさんはBさんを信頼しているが、BさんはAさんをあまり信頼していない場合)
ポイント:
- 「心理的安全性」と「弱さの開示」を思い出しながら評価する
- 「この人とは、安心して失敗談を話せるか?」
- 「この人とは、本音で反対意見を言い合えるか?」
- 「困った時に、この人になら素直に助けを求められるか?」
といった問いを自分に投げかけながら、客観的に、そして正直に評価してみてください。
- 「自分と他者」だけでなく、「他者と他者」の関係も評価する
- あなたが直接見ていなくても、日々の観察や伝聞から「あの二人の間は、ちょっとギクシャクしているな」「〇〇さんと〇〇さんは、すごく連携が取れてるな」と感じる部分があれば、それも反映させましょう。

ステップ3:マップから「気づき」と「課題」を抽出する
マップが完成したら、全体を眺めてみましょう。様々な線が引かれているはずです。ここから、以下の問いを基に「気づき」と「課題」を抽出していきます。
- 信頼関係の「太い線」が多いのはどこか?
- そこでは何がうまくいっていますか?その良い要素を他の関係性にも広げられないでしょうか?
- 信頼関係の「細い線」や「波線」「点線」が多いのはどこか?
- 特にコミュニケーションが不足していると感じるのは誰と誰の間ですか?
- なぜその関係性の信頼度が低いのだと思いますか?(原因を推測してみる)
- 特にコミュニケーションが不足していると感じるのは誰と誰の間ですか?
- 「一方的な関係」になっている線はないか?
- もしあれば、その背景には何がありそうですか?
- あなた自身が、最も信頼関係を強化したい相手は誰か?
- その相手との信頼度を上げるために、どんな一歩を踏み出せそうか?(前回の「弱さの開示」を参考に考えてみる)
- 信頼関係の「太い線」が多いのはどこか?

ステップ4:具体的な改善アクションを計画する
抽出された「課題」の中から、最もインパクトがありそう、かつ、自分にできそうな「小さな一歩」を見つけて、具体的なアクションプランに落とし込みます。
- 例1:特定のメンバー(Aさん)との信頼度が低い場合
- アクション: 「Aさんに、今抱えている小さな困りごと(例:新しいツールの使い方で迷っていること)を相談してみる。」(弱さの開示)
- 目標: 「来週中に一度、Aさんとランチに行って、プライベートな話も少ししてみる。」
- 例2:チーム全体に意見が出にくい空気がある場合
- アクション: 「週次ミーティングの冒頭で、自分の最近の失敗談を正直に話す。」(心理的安全性・弱さの開示)
- 目標: 「メンバーが発言してくれたら、内容に関わらず『話してくれてありがとう』と具体的に感謝を伝えることを意識する。」
- 例3:特定の部署間(営業部と開発部)の連携がうまくいっていない場合
- アクション: 「両部署の若手メンバーを集めて、カジュアルな情報交換会を企画する。」
- 目標: 「それぞれの仕事の『目的』と『全体像』を共有し合う場を設ける。」
計画したアクションは、必ず期限を設けて、実行に移しましょう。
マップを共有する勇気:チームを巻き込む次の一手
この「信頼度マップ」は、まずはあなた自身が現状を把握するためのツールとして活用するのが良いでしょう。しかし、もし可能であれば、チームメンバーを巻き込み、このマップを共有する勇気を持つことも、大きな変化を生み出すきっかけとなります。
例えば、
- 「実は、先日チームの信頼度について考えてみたんだ。みんなにも意見を聞きたいんだけど、このマップを見て、どう感じるかな?」
- 「この関係性の線が細いのは、何が原因だと思う?何か助けられることはないかな?」
と、あくまで「対話のきっかけ」としてマップを提示し、メンバーからの意見を引き出してみましょう。
この時、大切なのは、非難ではなく「建設的な改善」に焦点を当てることです。
マップを共有することで、メンバーは「自分たちのチームの課題を、リーダーは真剣に考えてくれている」と感じ、主体的に改善に参加してくれる可能性が高まります。この対話こそが、まさに「本音で語れるチーム」への第一歩なのです。
まとめ:信頼度マップは、チーム成長への羅針盤
いかがでしたでしょうか?
今回は、目に見えない「チームの信頼度」を可視化し、具体的な改善アクションへと繋げる「チーム信頼度マップ」の作成ワークをご紹介しました。
- メンバーを配置し、関係性を線で結ぶ
- マップから「気づき」と「課題」を抽出する
- 具体的な改善アクションを計画する
- (オプション)マップを共有し、チームで対話する
心理的安全性や信頼といったものは、一朝一夕で築けるものではありません。しかし、このマップのように現状を客観的に把握し、小さな一歩を継続して実践していくことが、真に強固なチームを創るための唯一の方法です。
あなたのチームの「信頼度マップ」は、チームの現在地を示し、どこへ向かうべきかを教えてくれる、まさに「羅針盤」のような存在となるでしょう。
さあ、今日からぜひ、あなたのチームの「信頼度マップ」を作成し、チームの成長に向けた具体的な一歩を踏み出してみませんか?
この1週間で、「いいチーム」の土台となるリーダーシップ、メンバーシップ、心理的安全性、そして信頼関係の重要性について深く掘り下げてきました。来週からは、この土台の上に、具体的なチームの機能や文化をどう築いていくか、さらに実践的なテーマでお話ししていきます。どうぞお楽しみに!








