善くはたらくための考察

単なるビジネススキルではなく、働くことの本質を深考することが、真の組織成長に繋がると考えます。
ここでは、長年の実務経験と、ドラッカー理論、心理学の知見を融合させた考察を定期的に発信しています。

キャリアは“会社任せ”にしない|自立する働き方の思考と実践(2日目)

1日目の記事では、キャリアを“会社任せ”にしないための視点として、

「キャリアの主導権は自分にある」と認識することの大切さをお伝えしました。

今回は、さらに一歩進めて、自立した働き方を実践するために必要な「3つの力」について解説していきます。

自分のキャリアを自分で選び、前向きに動かす人は、共通してこの3つの力を育んでいます。

今の働き方にモヤモヤを抱えている方、何かを変えたいと感じている方にとって、具体的な行動のヒントになるはずです。

◆ 「自立した働き方」を実現する3つの力

① 自己認識力(セルフアウェアネス)

まず必要なのは、「自分がどんな価値観・感情・行動傾向を持っているか」に気づく力です。

これを心理学では自己認識力(Self-awareness)と呼びます。

人は誰しも、“自分を正しく知っているつもり”になっています。

しかし実際には、過小評価・過大評価・回避的な思考が混ざり、本当の自分の状態に気づけていないことが多いのです。

たとえば、こんな人はいないでしょうか?

• 「忙しいから動けない」と言いつつ、本当は「失敗が怖い」だけ

• 「上司のせいでやる気が出ない」と言いながら、内心は「評価されたいけど自信がない」

このように、思考・感情・行動の背景にある“本当の自分”に気づくこと。

これが、自立への最初の力です。

🔍おすすめのアクション:

毎日3分だけ「今日の感情」「今日の判断理由」をメモする習慣をつけてみましょう。

② 意志決定力(選ぶ力)

2つ目は、「どうするかを自分で決める力」です。

これを意思決定力(またはキャリア意思決定能力)と言います。

情報過多・選択肢の多さ・正解のなさ――

現代社会において、どれを選ぶか悩む場面は日常的にあります。

重要なのは、「他人の意見に流される」のではなく、

自分の価値観や目的に照らして選ぶことです。

例えそれが少数派でも、納得して選んだなら、自分の中に芯が生まれます。

🔍おすすめのアクション:

重要な判断をするときは「なぜ自分はこれを選ぶのか?」を言葉にしてみましょう。

③ 自己効力感(自分にはできるという感覚)

3つ目は、自立した働き方を支える心理的な土台である自己効力感(Self-efficacy)です。

これは、心理学者アルバート・バンデューラが提唱した概念で、

「自分には目標を達成する力がある」と感じられる感覚を指します。

この感覚が高い人は、新しいチャレンジにも前向きで、多少の困難にも折れません。

一方、自己効力感が低い人は、「どうせ自分には無理だ」と諦めがちです。

では、どうすればこの力を高められるのでしょうか?

• 小さな成功体験を積み重ねる(例:1日5分の学習を続けてみる)

• 過去の乗り越えた経験を振り返る

• 他者からの承認・フィードバックを素直に受け取る

こうした日々の習慣が、自己効力感を内側から育ててくれます。

◆ 3つの力は連動している

この「3つの力」は、単独で機能するのではなく、互いに連動しながらキャリア自立を支えています。

• 自分を正しく認識できれば(自己認識)

• 何を選ぶかを自分で決められ(意志決定)

• 選んだ道を自信を持って進むことができる(自己効力感)

つまり、「自立」とはスキルや立場ではなく、

“自分の人生を自分の意志で歩んでいる”という感覚の積み重ねなのです。

◆ では、なぜ自立できないのか?

それでもなお、「キャリアを自立させたいけど動けない」という人は多いです。

なぜなら、人は無意識のうちに「環境のせい」にしたほうが楽だからです。

• 時間がない

• 上司が分かってくれない

• 家庭の事情がある

• 自分なんかには無理

…それはすべて、ある種の“自己防衛”でもあります。

でも、あなたの人生は、会社でも上司でもなく、あなた自身のものです。

だからこそ、小さくても自分で選び、動くことが、未来を変える力になります。

◆ 次回予告

最終回(3日目)は、「会社の中でキャリア自立を実践するには?」というテーマで、

現実の組織の中でどう振る舞い、どう成長の機会をつかむのかを掘り下げます。

▶ 自立は「内側の力」を鍛えることから始まる

明日が今日の延長でしかないなら、自分を変えるしかありません。

小さな一歩から、自分で選ぶ人生を歩み出しましょう。

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