善くはたらくための考察

単なるビジネススキルではなく、働くことの本質を深考することが、真の組織成長に繋がると考えます。
ここでは、長年の実務経験と、ドラッカー理論、心理学の知見を融合させた考察を定期的に発信しています。

「Will/Can/Must」で自分を深掘り!~強みと価値観を言語化する自己分析~

こんにちは、坂本です。皆さんのキャリアと組織の成長を応援しています。

連載「『キャリア自律』時代を生き抜くための実践ガイド」も、いよいよDay2です。

昨日の記事では、変化の時代に求められる「キャリア自律」という考え方についてお話ししました。会社の観光バスに乗る乗客ではなく、自分で運転する車のドライバーになる、そんなマインドセットを皆さんにご提案しましたね。

しかし、いざ車の運転席に座っても、「さて、どこへ向かおうか…」と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。目的地が分からなければ、どんなに性能の良い車も宝の持ち腐れです。

そこで、今日お伝えするのは、キャリアという旅の「目的地」を見つけるための地図、つまり「自己分析」についてです。

「自己分析」と聞くと、少し難しく感じるかもしれません。「自分探し」のように、答えのない海をさまようイメージを持つ方もいるでしょう。

でもご安心ください。今日ご紹介するWill/Can/Mustというフレームワークを使えば、自分自身を客観的に、そして論理的に見つめ直すことができます。

この3つの視点から自分を深掘りすることで、あなたは自分の内なる声に気づき、強みや価値観を「言語化」できるようになります。それは、誰にも揺るがない、あなただけの「キャリアの目的地」を見つけるための、強力なツールになるはずです。

キャリア自律の羅針盤「Will/Can/Must」とは?

「Will」「Can」「Must」。この3つのワードは、キャリアを考える上で非常に重要な要素です。それぞれが何を意味するのか、見ていきましょう。

  • Will(やりたいこと):
    これは、あなたの「心の声」です。仕事を通じて「何を成し遂げたいか?」「どんなことにワクワクするか?」「どんな風に働きたいか?」といった、あなたの情熱やビジョンに関わる部分です。「もし時間やお金の制限がなかったら、どんなことをしてみたい?」という問いから見えてくるかもしれません。
  • Can(できること):
    これは、あなたの「武器」です。仕事で活かせる「スキル」「知識」「経験」「強み」といった、あなた自身の能力に関わる部分です。客観的に評価された資格や経験だけでなく、「人からよく頼られること」や「無意識にやってしまう得意なこと」も含まれます。
  • Must(すべきこと):
    これは、あなたの「現実」です。仕事を通じて「会社から求められていること」「社会的な役割」「家族のために果たすべき責任」といった、組織や社会、あるいは個人的な事情から求められている部分です。

これら3つの要素は、それぞれが独立しているようで、実は深く結びついています。そして、この3つが重なり合う部分こそが、あなたが「最もパフォーマンスを発揮でき、やりがいを感じられるキャリア」なのです。

「Will」だけでも「夢追い人」で終わってしまうかもしれません。「Can」だけでも「指示された仕事をこなす人」になってしまうかもしれません。「Must」だけでも「やらされ仕事」に疲弊してしまうかもしれません。

この3つの要素をバランスよく見つめることで、あなたは「理想の自分」と「現実の自分」を統合し、自分らしいキャリアを力強く歩んでいけるのです。

「Will/Can/Must」で自分を深掘りする3ステップ

「Will/Can/Must」を頭で理解するだけでは意味がありません。実際に手を動かして、自分自身の内面と向き合ってみましょう。

ステップ1:Will(やりたいこと)を掘り起こす

まずは、心の声に耳を傾けることから始めます。以下の問いを自分に投げかけてみましょう。

  • 「今までの仕事で、一番楽しかった瞬間はどんな時?」
  • 「どんな時に、時間を忘れて熱中できた?」
  • 「将来、どんな人になりたい?」
  • 「もし宝くじが当たったら、どんな仕事をする?」

これらの問いに、頭で考えるのではなく、心の赴くままに自由に書き出してみてください。

「売上を上げること」「チームをまとめること」「お客様の笑顔を見ること」…どんな小さなことでも構いません。この作業は、あなたが本当に大切にしている価値観を炙り出す、とてもワクワクする時間です。

ステップ2:Can(できること)を客観的に見つめる

次に、あなたの武器である「できること」を棚卸しします。一人で考えるのが難しい場合は、信頼できる同僚や友人に協力してもらうのも良い方法です。

  • 「仕事で評価された経験はどんなこと?」
  • 「人からよく頼まれることは何?」
  • 「どんな時に、周りから『すごいね!』と褒められた?」
  • 「学生時代やプライベートで熱中したことは?」

Canは、必ずしも「立派なスキル」である必要はありません。「誰よりも早く資料をまとめられる」「いつも笑顔で挨拶ができる」「相手の気持ちを察するのが得意」といった、あなたにとって当たり前だと思っていることこそが、実はユニークな強みであるケースも多いのです。

ステップ3:Must(すべきこと)を冷静に把握する

最後に、あなたが置かれている「現実」を冷静に見てみましょう。

  • 「今、会社から期待されている役割や成果は?」
  • 「将来的に、どんなスキルや知識が求められる?」
  • 「家庭やプライベートで、果たすべき役割や責任は?」

「Must」は、ともすると「やらされ感」に繋がることがあります。しかし、これをWillCanを活かすための土台」と捉えることで、見え方が変わってきます。

例えば、「Must」として営業成績を上げることが求められているとします。この時、「Will」である「お客様の役に立ちたい」という想いや、「Can」である「相手の話をじっくり聞く力」を組み合わせることで、単なるノルマ達成ではなく、よりやりがいのある仕事に変えることができるのです。

Will/Can/Mustを統合する「魔法の問いかけ」

この3つの要素をそれぞれ書き出したら、最後に「魔法の問いかけ」をしてみましょう。

  • 「私のWill(やりたいこと)と、Can(できること)を掛け合わせると、どんな新しい仕事や役割が生まれるだろう?」
  • 「私のWill(やりたいこと)を達成するために、どんなCan(できること)を身につける必要があるだろう?」
  • 「私のWill(やりたいこと)を、Must(すべきこと)にどう繋げられるだろう?」

この問いかけをすることで、バラバラだった要素が繋がり始め、あなただけのキャリアの方向性が浮かび上がってきます。

そして、この3つの要素が重なり合う部分が、あなたにとって最も輝ける場所です。

H2】まとめ:自己分析は、未来の自分への「最高の自己紹介」

今回は、「Will/Can/Must」というフレームワークを用いて、キャリア自律の第一歩となる自己分析の方法を解説しました。

  • 「Will(やりたいこと)」はあなたの情熱。
  • 「Can(できること)」はあなたの武器。
  • 「Must(すべきこと)」はあなたの現実。

この3つを深く掘り下げ、統合することで、あなたは誰にも揺るがない「自分軸」を見つけることができます。

自己分析は、過去の自分を振り返るだけでなく、未来の自分に最高の自己紹介をするための作業です。

「私はこんな人間で、こんなことが得意で、こんな未来を目指したいんです!」

さあ、この連載をきっかけに、あなたも自分自身の内面と向き合い、自分だけの「キャリアの目的地」を見つける旅に出かけてみませんか?

明日のDay3は、「「学び」をキャリアの武器に変える!~実践につながるインプット・アウトプット術~」をテーマにお送りします。お楽しみに!

お読みいただきありがとうございました。皆さんのキャリアと組織の成長にお役に立てれば幸いです。

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